人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

学業が大変になってきた?

先日、『奇跡のレッスン~世界の最強コーチと子どもたち』という番組を見ました。フットサル日本代表のミゲル・ロドリゴ監督が出演。この手の“大人が子どもを指導する”物語が私は大好きで、こういう番組や本からエッセンスを拝借しようといつも目を光らせているのですが、この回は特に感動しました。

 

その中でも最も心に刺さった言葉たちを、少しここに書き残しておこうと思います。

「リスクのないところから学べるものはない」

「(番組で監督が受け持った子どもたちは)自分が自分で考えていない。自分で考える力を養ってやらないと。そのための、僕ら大人の責任は大きい」

「人のミスを見つけて叱ることは誰だってできる。だけどそれは、臆病者のすることだ」

 

特に最後の言葉は、日々胸に留め置かなければならないと思いました。

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休みは終わった

『ららら♪クラシック』が番組改編……。

石田衣良・加羽沢美濃コンビをもう見ることは無いのかと思うと、だいすけお兄さん(おかあさんといっしょ)の卒業より悲しいです。番組の方向性もちょっと変わりましたね。

というのも、スタッフが一新されたのか、芝居パートの楽器に対する知識がいい加減すぎてもうっ! となっています。エルガー役の男性の弓づかいがとにかくひどかった。弓を拳骨で握り、指板から駒傍までを斜めに弾き。

 

スタッフ誰もツッコまなかったの? 三浦文彰さんの『愛の挨拶』はしびれたので、まあいいのですが。

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なぜ弾くのか、という問い

ワールドカップ予選は勝ちましたが、WBCは僅差で準決勝敗退。

しかしそんなことよりも今は、軽く『カルテット』ロスです。こんにちは。

いいドラマでしたね。言葉を丁寧に紡ぐシナリオは大好物です。特に最終回、主人公の4人に送られた一通の手紙に、胸を貫かれた方も多かったのではないでしょうか。 

私は不思議に思いました。
この人たち煙のくせに何のためにやってるんだろう。

早く辞めてしまえばいいのに。

私は5年前に奏者を辞めました。
自分が煙であることにいち早く気づいたからです。
自分のしていることの愚かさに気づきすっぱりと辞めました。
正しい選択でした。

本日またお店を訪ねたのは皆さんに直接お聞きしたかったからです。
どうして辞めないんですか。
煙の分際で、続けることに一体何の意味があるのだろう。
この疑問はこの一年間ずっと私の頭から離れません。
教えてください。
価値はあると思いますか。
意味はあると思いますか。
将来があると思いますか。
なぜ続けるんですか。
なぜ辞めないんですか。
なぜ。

教えてください。

お願いします。

  

もう泣きそうでした。

でも、この問いに明確に答えを持っている人は、きっと奏者として続けていくことと思います。主人公4人もはっきりと言語化したものはありませんでしたが、明確な意志をちゃんと持っていました。そこに、“弾く”という答えを見出していました。引いては、なぜ4人でいるのか、の答えにもつながっていたと思います。

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蜜蜂と遠雷

テレビドラマ『カルテット』から目が離せない最近の私ですが、5話で心を打ち抜かれ、6話の最後の最後まで恍惚さえ覚える没頭感を得ていたのに、ラスト5分で「あれ?」と立ち止まっています。あまりの展開に頭がついていきません。

出演者の満島ひかりさんは脚本家の坂元裕二さんとの過去の仕事で「中後半からの展開」について物申したことがあるらしく。もしかしたら私の感じたこの違和感と通ずるものがあるのかもしれないですね。

 

それにしても出演者のみなさん、フィンガリング、ボウイングともに徐々にできてきてません!? 努力されたのはもちろんでしょうけど、恐ろしいまでの勘と運動神経ですね。

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所変われば品変わる

「厳しい練習」をしたら「演奏家になれる」という命題があるとします。これ、いつも思うのですが成り立たないですよね。

 

p       q         p→q

厳しい練習   演奏家になれる   真

厳しい練習   演奏家になれない  真

楽しい練習   演奏家になれる   真

楽しい練習   演奏家になれない  真

 

ほらー! 全部真じゃないですか!(いや数学的に「真」は意味が違うので、この図はおかしいのですが……)対偶を求めるまでもなく、命題では解けない問題だからこそ、「残るは才能」とかいわれてしまうわけで。

 

なんていうくだらないことを考えるくらいには時間に余裕ができたので、更新したいと思います。

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「カルテット」とコンサートと基礎と

TBS火曜ドラマ「カルテット」、ご覧になっていますか。ライトでポップな「逃げ恥」の後釜として、またドきついものをあててきましたね! 小劇団のお芝居みたいで大好きです。若かりしころ箱通いした人ならがぜん食いついていらっしゃるのではないでしょうか。夢の遊眠社、第三舞台、東京サンシャインボーイズ、キャラメルボックス。そんな雰囲気を醸し出していますね。今後の展開がとても楽しみです。合言葉は「A(アー)ください」うん、巷ではいまいち流行っていない。

ただまあ、楽器の弾き方は……。彼らは役者さんであって演奏家ではないのだから仕方ないですけど、本物の武士が現代にいたとして、その彼らが大河ドラマを見たらこんな気持ちなんじゃないか、みたいな空気はどうしても漂います。

それでもさすがは役者、とうなったのは、高橋一生さんの足を投げ出したヴィオラ演奏スタイル。あれは彼が観察した結果なのか、それとも演出家のお手柄なのか。いますよね、ああいう人。笑ってしまいました(ただしオケに。カルテットではあまり見たことない)。

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