ともだちひゃくにんできるかな
いっちねんせ~になった~らっ
という歌をいまの子供たちも歌うのかは知りませんが、ともだち百人とはなかなか具体的な数字でわかりやすい。数値目標がはっきり定められていれば、そこに向かってどう努力すればいいかがわかりますしね。
さて、娘の小学校は三クラス。一学年はぎりぎり百人に満ちません。先日お風呂にいっしょに入りながら、
「ともだち百人はむずかしいね」
と言ってみたところ。
「来年の一年生とか、上級生とか、いくらでも作れるよ!」
と自信ありげにのたもうておりました。長女はどこに行っても簡単にともだちを作れる性格で、そのうち百人の友達を本当に作ってしまいそうで恐ろしい。
でも、ふと、疑問が頭の中でもたげてきました。
「あのさ、そんなにともだち作ってどうするの?」
すると、ちょっと恥ずかしそうに言いました。
「だって、私が大きくなってヴァイオリンの先生になったとき、生徒さんが誰もこなかったら困るから」
……ともだち作りは、まさかの営業だった!?
いやはや、誰に似たのか。商魂たくましい。
でもそこは、親として一言いっておきたい。
「ともだちはともだちでしょ。それに、長女ちゃんが世界一のヴァイオリニストになれば、世界中の人たちから『教えてください』って寄ってくるよ。だから世界一になっちゃえばいいんじゃないかな」
「そっか! わかった!!!」
目をらんらんと輝かせておりました。
フッ……計画通り。