辛いと楽しいの比率
いつも「おやすみ」と言った5分後には確実に寝息を立てている長女。
乞われて添い寝をしていると、どうも寝苦しそうです。
「おかしいな。いつもはすぐに寝られるのに」
隣では二女が遠慮なくバンザイしながら寝息を立てています。だから彼女のあせりもなんとなく伝わってきます。
「眠れなくてもあせらなくていいよ。少しお話しようよ」
と雑談を5分くらいしたでしょうか。その流れでふと思い立って聞いてみました。
「ヴァイオリンってさ、辛いのと楽しいの、どっちが多い?」
すると長女は数秒考えて
「同じくらい」
と答えました。意外でした。辛いほうが多いと答えるだろうと思っていたからです。その思いがつい口をつきました。
「へえ、すごいね。辛いほうが多いんだと思ってた。きっと世の中のヴァイオリニストを目指す子たちは、みんな辛いほうが多いと思うよ」
「……そうなんだ」
この会話を最後に、長女はぐっすり。
彼女なりに伸び悩みを感じているのでしょうか。すごいなあ、小学一年生なのに。自分が同い年のころ、何をしていただろうかと思い返しても、こんな悩みは抱えたことがなかった気がします。
注意深く心の変化を見守る時期なのかな、と思いました。