人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

眠れない夜を抱いて

も~しも~あのと~き~♪

 

おやすみから就寝まで5分を待たない長女。日々を全力で生きている子というのはこんなものなのだろうか、とほほえましく思っていたのですが、さすがに発表会前日は眠れないらしく、うだうだゴロゴロしていました。

 

初めてコンクールの全国大会に出場した前夜も同じように眠れず、とにかく添い寝してなだめすかした記憶があります。それと同じ症状なのか、今回も「胸のあたりがちりちりする~」「もやもやして目を閉じられない~」といいながらゴロゴロしています。

 

この日のために3ヶ月もかけて曲を仕上げてきたのです。どこを間違ってはいけない、どこをテンポキープしなければならない、と、さんざん詰め込まれたので、きっと頭の中は注意しなければならない楽譜でパンパンに膨れ上がっていることでしょう。

 

特に本番一週間前に突然顕れた指のもつれに、本人も焦りが生まれた様子です。今までなんてことなく弾きこなしていた速いパッセージがつっかえるようになったり、繰り返しの場所を忘れてとんでもないところから弾き始めたりと、あがり症に見られる兆候が吹き出てきた感じです。こういった失敗は若いうちに終わらせておいてほしいので、いい傾向だと前向きに捉えています。

 

本番でしっかり緊張感をもってがんばる。それが大前提なのであえて言いませんでしたが、心のうちでは別のことを考えていました。

 

前に記事に書きましたが、長女の演奏力はここ数ヶ月で格段にアップしました。音色が良くなったことももちろんですが、ボウの使い方、テンポキープの仕方、音に表情をつける方法など、細やかなテクニックが確実に一皮むけました。だからいつも思うのです。

 

「ここに至るまでに、十分やったよ」

 

発表会は、終わるまでが勝負。だから最後までこれは言いませんでしたが、三日前くらいからずっと思っていたことです。眠れない夜も、発表会の戦いのひとつ。焦りを抱いて本番に臨む長女にエールを送り続けるしか、親にはできません。




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