人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

ハイフェッツの音階練習を聴いてきた―3/3―

先日の記事でピエール・アモイヤル氏のことを「ハイフェッツの孫」と書いてしまいました。アモイヤル氏は直接の弟子で、尾池さんは「孫」弟子にあたる、と書きたかったのですが、文章を校正している最中に削除漏れがあったようです。元記事は訂正いたしましたが、とんでもないデマを書いてしまったのでここにお詫びと訂正をさせていただきます。

 

先日の続きです。が、その前に。「ハイフェッツって誰?」という人がいそうなので、軽く触れておきます。3歳ですでに神童扱い、7歳でメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏してデビューしたという、7歳の娘を持つ私にとってはあっけにとられるようなヴァイオリンの王です。

 


メンデルスゾーン バイオリン協奏曲 第1楽章 庄司紗矢香 - YouTube

※略して“メンコン”と呼ばれます。庄司さんのを貼り付けておきます。これ、技術的にも表現的にもとても難しい曲なのですよ……。それを7歳で弾いたハイフェッツ恐ろしい子……。

 

さて、その天才ハイフェッツが後進を育てる際に全員に課したというのが、ハイフェッツの音階練習。門外不出だったその練習法を、ハイフェッツの孫弟子にあたる尾池亜美さんに目の前で演奏していただきました。その内容は先日も書きましたが、以下の4つでございます。

 

 

  1. 基本は普通の重音の音階練習
  2. ポジションをチェンジするときに基音をグリッサンドする
  3. 1オクターブを往復したら調を変える
  4. 全調終えたら度数を変えていく

 

そもそもなぜハイフェッツの音階練習にこれほどまで興味があるのかといいますと、娘たちのスケール練習に少しでも役立つのであれば、という思いがあったからなのです。彼女たちをあの場に連れて行ってもきっと飽きてしまいますので、私が代表して見て、聴いて、感じてこようと。

 

で、聴き終えた感想はなるほど! と思うだけのものだったのですが、娘たちはまだ初歩の演奏技術に四苦八苦している段階。その進度に合わせて質問したいことが出てきました。この音階練習デモンストレーションのあとは歓談タイムだったので、尾池さんが少しお手すきのタイミングを見計らって、以下のような質問をしてみました。以下、アンサーはすべて尾池さんのものです。

 

Q ゆっくりグリッサンドをしながらポジション移動する理由はなんですか?

A 正しい手の位置と音程を確認するため。ゆっくりでいいので、必ずグリッサンドさせること。ただしそれには条件が3つある。手の形を変えずにグリッサンドすること。親指ごと移動させる(滑らせる)こと。1番の指(人差し指)をグリッサンドさせること。

 

Q 音階練習は素人なのですが、ハイポジションでも同じですか?

A もちろん。「どんなポジションでも手の形を毎回同じにして弾けるようになる」ための練習だから、高い低いは関係ない。指と指の間を広げたりせばめたりすることで音程をとるのは、人間の運動神経ではなかなか難しい。だからこそポジションごとの手の位置を覚えさせ、あとはどのポジションに移動しても指の間隔(の割合)が変わらないようにする。そうすると音程が飛躍的に安定する。私(尾池さん)は(指が指板の上を遠い距離まで)飛ばす(音程を演奏する)とき「あ、今回は正解」「ちっ、ハズレちゃった」程度に思っていたのだが、この練習をするようになってから音程の正確さが格段にアップした。

 

Q 娘はまだ七歳で重音の音階はやっていないのですが、単音でも効果はありますか?

A ある。確実に音程が良くなる。

 

Q 七歳の娘に理解できるものでしょうか。

A 楽器弾きなら絶対にわかる。大丈夫。

 

Q アッコルドの記事が更新されることを楽しみにしていたのですが。

A 書きたいことが次から次に出てきてしまって、まとめていたら時間が経ってしまった。あまりにもお待たせしすぎたので、ここらで実演してしまおうと思った。

 

Q 譜面が欲しいのですが。

A 現在出版を企画している最中。もうしばらくお待ちいただきたい。

 

とのことでした! 最後の「出版する」という言葉がとてもうれしいです。これはヴァイオリンの練習方法に一石を投じるかもしれませんね。

 

ヴァイオリンは伝承の楽器という歴史があったため、現代に至るまで練習方法はバラバラでした。でもそろそろ効率のよい練習法を確立し、才能あるプレイヤーを量産してもいい時期なのではないかと思います。その意味でも、今回の内容は歴史の一歩目になるかもしれません。

 

では、今日はこのへんで。

 




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