人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

二女、発熱

その晩、二女のテンションは異様に高かったのを記憶しています。

 

箸が転げても笑うような、とてつもないはしゃぎ方を見せていました。寝る前になっておなかを押さえながらゴロゴロし、「ちょっとおなかいたい」と言っていたのですが、寝れば治ると言い聞かせて寝かしつけました。寝つきが悪く長いこと添い寝していましたが、ようやく寝たのを見計らって布団を抜け出します。しかし、なんとなく気がかりで額に手をやりました。すると、熱い。

 

最初に異変に気づいたのは妻でした。晩を外て食べたのですが「ちょっと熱いかも」と気にしていたのです。そのときは元気そうだったのでそこまで心配しませんでしたが、腹痛を訴えることは珍しかったので、気になって額に手をやってよかったと思います。

 

熱を測ってみると39.7度。二女はクループ(気管が腫れて狼の鳴き声のような咳を繰り返す突発性の症状。最悪の場合窒息する)の気があるので親の監視が必要になります。妻と一緒に寝かせたのですが、「パパもいて」とせがむので落ち着くように横にいました。

 

寝る直前、彼女は足し算のドリルをやっていました。何気なく横から回答を見てみると、間違っても彼女にミサイルの弾道計算を任せてはいけないと誓うくらい、ひどい答えを量産しています。しかも鼻歌を歌いながら「これで正解です」といわんばかりの自信に満ちた表情で。

 

もう、足し算以前に数の概念がわかっていないと気づきまして、長女が学校で使っている算数セットを借り、おはじきを使って数の概念を教え続けました。ちょっと熱をこめて指導してしまったせいで1時間はやったでしょうか。二女も終えたときには満足げな表情でした。

 

その夜の出来事だったので、なんとなく「きっと知恵熱だろう」と思いました。突然情報を詰め込まれたから脳がオーバーヒートしたんだろう、と。

 

……翌朝。

 

37.0度。やはり知恵熱でした。人間の体って不思議だなー、でもよくなってくれてよかった、とホッと胸をなでおろしていたら、顔色の悪い妻が「眠れなかったー」と言いながらリビングへ。二女のことがあまりにも心配だったのかと思ったら、どうやらそうではないらしく。

 

寝言がひどかったそうなのです。ハイテンションに次々と意味不明な言葉で話しかけてきて、自分が満足すると再び寝る、ということを繰り返していたとか。

 

ほんと、つくづく、人間の体は不思議ですね。

 

ではまた。




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