人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

セカンドオピニオン

深刻な病気に罹ったとき、最近では誰でも当たり前のようにセカンドオピニオンを持ちます。取材でいうところの「裏取り」ってやつです。

 

楽器の世界でも同じで、一人の先生に習い続けることによって長所とともに短所も移されてしまうことがあります。ですから、一人でも多くの師に見ていただき、さまざまなご意見を伺うのはとてもいいことだと思うのです。

 

コンクールのいいところはまさにこれです。現役でご活躍の演奏家もしくは教育者の方に寸評をいただける。これはとても得がたい体験です。長女は前回出場したコンクールで「右手をやわらかく! 曲げ伸ばしを!」と注意を受けました。ヴァイオリン未経験の親には何のことだかわからず、お師匠に伺うと、ボウイング(弓を動かすときのテクニック)に硬さがあるという意味とのこと。「これからボウイングも修正していきますからね」とにっこり微笑まれたお顔がなぜか忘れられません。

 

これを経験してからというものの、多くの師に演奏を聞いていただくという体験は得がたいものであることと知りました。ヴァイオリンだけでなくピアノも含めて、複数の師に見せてみたいという野望が目覚め始めています。

 

発表会や受賞式などに忙殺され、なかなかタイミングをつかむことができていなかったのですが、そろそろ実行に移してみてもいいのではないかと思っています。長女の技術はまだまだ足りず、おえらい先生に診ていただいても最初の数小節だけを繰り返されて一時間が終わってしまう、なんてこともあるでしょう。しかしそれならいつになったら何かを実行に移せるというのでしょうか。思い立ったときにやらなければチャンスは逃します。それはパソコンの買い替えにも似ていると気づきました。パソコンを仕事に使っている人がパソコンを新調しようと考えたとき「次のモデルが出たら」買うのは素人です。「ほしい」と思ったときに買うのがもっとも費用対効果が良いのです。これは実体験で知っているので、私は時期の区切りをつけることはあっても、基本的には躊躇せずに買い替えを断行してきました。セカンドオピニオンも同じだろうと思います。長女が高難度の曲にチャレンジする今だからこそ、さまざまなご意見をいただくいいチャンスだと思うのです。

 

念のためお師匠には「ほかの先生に見ていただいてもよいですか」と確認をとっており、ご快諾いただいています。今はどんな方にも見ていただきたい、どんな方からでもご意見をいただいてみたいと思っているところです。継続して教えを請うことができるかどうかはわかりませんが(体力的にも、財政的にも、です)セカンドオピニオンとの出会いを探る旅を始めたいと思います。卓越した演奏技術を持つ人が優れた教師とも限りませんので、先入観無しでお会いすることも親には求められると思っており、気を引き締めているところです。

 

ではまた。




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