人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

我が家のアナとエルサ

事情により、妻が一人で里帰りしました。「実家に帰らせていただきます」というアレではなく、やむにやまれぬ事情でした。

 

その地を踏むには船を利用するのですが、それを聞いた娘ふたりは「えっ、おふねに乗るの!? 大丈夫なの!?」と急にソワソワしだしたのです。妻が出かけるまでずっと「気をつけてね。本当に気をつけてね」とまとわり続け、「いってきます」と妻が玄関を閉めるまでずっとその姿を見続けていました。

 

扉の鍵を背伸びしながら閉めた二女*1は、暗い顔をしたまま下を向いてツカツカとリビングに立ち去りました。長女もそのあとに続きます。どうしたんだろうと思ってついていくと、二女はおもむろにリビングのいすにすわり、急にぶわああああと泣き出したのです。それを見た長女も釣られるようにメソメソと泣き始めました。なんだなんだ、ママが一日いないことくらい、今までもあったじゃないか、と不思議に思ってよくよく聞くと、

 

「お船、沈まない?」

「えっ!? 沈まないよ!」

「わかんないよ! 沈んじゃったら……うわああああああ」

「アナのパパとママみたいに……うわああああ」

 

ここでようやく合点がいきました。映画『アナと雪の女王』は開始十分ちょっとで主人公アナとエルサの両親が船旅に立ち、嵐に飲まれて死んでしまうのです。そして二人取り残された姉妹の話になっていくのですが、どうやらそのシーンと現実を重ねた模様。

 

「あんな昔の船に乗るわけじゃないよ。台風もきていないし雨の予報もないし、あっというまについちゃうから大丈夫」

 

といい続けてようやく正気に戻った二人。翌日は気分転換のために遊園地に連れて行き、一日じゅう遊びほうけさせました。やれやれ。

 

ではまた。




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*1:我が家の鍵を閉める当番は娘ふたりなのです。