人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

わからない、つかめない

長女さん、クライスラーの『プレリュードとアレグロ』のプレリュード部分に苦戦中です。

 

私なんぞクラシックなんてドのつく素人ですから、テンポは速いわ重音はやたらめったら出て来るわのアレグロ部分のほうが相当難しいと思っています。しかし先生のご指導は違いました。ミーシーミーシーという出だしの部分。いつもかっこいいなぁと聞惚れてしまうのですが、そこを弾きながらこうおっしゃるのです。

 

「心をつなげて!」

 

さすがにアラフォーですし、人生経験ありますから、一発で先生の真意、想像が働きましたよ。ああこういうことかな、と。

 

そもそもこの印象的な出だし、何がすごいって完全四度、完全五度の繰り返しなんですよね。あと一音加われば、長調にも短調にも変化する。明るくもなるし、暗くもなる。陰陽の区切りというか。ビッグバンのような熱と破壊と創生を感じます。その出だしが一音一音ブツブツ途切れていたら、確かに台無しですよね。……あ、ちなみにこの見立ては私個人のものですので、詳しい解説は専門家に譲ります。

 

でも長女さんはまだこの世に生まれて8年目。ずっと首をかしげながら「??? どこが違うの?」となっています。確かに長女さんにとってはつなげて弾いているのでしょう。でも先生からすれば途切れているように聞こえる。では、何をつなげればいいのかわからない。どう具体的に弾けばいいのかつかめない。そう嘆いているようにも見えます。

 

わからないなら、わからなくていい。

つかめないなら、つかめなくていい。

 

だって、すごいお手本があるんだもの。まねして! このとおり弾いて!

 

そのために素晴らしい音質で弾いてくださる先生についているんだ。まずは考えるな。身に着けろ。身に着けてから大人になってもう一度振り返れ。

 

今はDon't think, Feel.で受け流さなければならないこともあると思います。でもそれだけでは近いうちに限界が訪れる。だから成長する過程で、Feel, and Think.に変わってくれるといいな。

 

ではまた。




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