人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

チラ見顕示欲

先日、長女の新しいヴァイオリンのために、新しい肩当を買いに行きました。ついでにケースも見たかったので、家族四人で楽器街にお出かけ。

 

いつものイタリア人店員さんが「いらっしゃい!」と笑顔で出迎えてくれました。そして肩当を見繕って欲しいことを伝えると、まっさきにKUNを出してくれました。

 

KUN(クン) バイオリン肩当て Original(オリジナル) 3/4-1/2

KUN(クン) バイオリン肩当て Original(オリジナル) 3/4-1/2

 

 

長女、新フレンチくんに装着していただき、肩に構えます。そして胸にあたる感じなどを確認しているのですが……え、弾きなよ。弾かないとわかんないでしょ。

 

「えー……弾くの……?」

 

この人は本当によくわかりません。あれだけ人前で目立つのが好きだったり、コンクールでもむき出しの闘志を燃やしたりしていたくせに、楽器店でちょろっと音を出すことが恥ずかしいなんて。でもこちらも買い物ですから。「いいから弾きなさい」と言い渡すと、しぶしぶと言った感じで「何を弾くの?」というので、『プレリュードとアレグロ』を指示すると、ようやく弾き始めました。

 

強く弾く曲のほうが肩や胸に当たる具合がわかるだろうと思った選曲だったのですが、なんか様子がへん……。お店の奥を見てはチラッ、レジのお姉さんに首を向けてはチラッ。ソワソワしながら弾いています。人の目を気にしている? そうですね、ある意味そうでしょう。これは完全に、周囲が「すごい!」って目で見てくれているかを確認している顔です。

 

しょーもない顕示欲だなおい。

 

店員さんはセッティングを何度も変えたり、別のものを出してきたりして、いろいろと試させてくださいました。その間、何度「恥ずかしいからきょろきょろしないで」と言おうとしたか。しかし親が恥ずかしいと思うように、子も恥ずかしい思いを推して弾いているわけですし、あまり強くも言えず……。

 

自尊心と顕示欲。大勢のお客様を前に、一人で立ち向かわなければならないソリストには必要不可欠な燃料なのでしょう。長女がそこを目指すのなら、あまり押さえ込まないほうがいいんでしょうね。人間関係に支障をきたさない程度の社会性は持ってもらわないと困りますが。

 

印象的だったのは、長女よりちょっとお兄さんくらいの男の子を連れたご家族が、長女の演奏をマジマジと見ながら若干ピリピリした様子だったこと。息子さんに「なんで弾かないのよ!」と炊き付けるような会話をしていて、逆に申し訳ない気持ちになってしまいました。

 

うーん、いっそのこと「よっしゃ、腕前、見せつけてやれ」くらい煽る親のほうがよかったのかな?

 

……この件の結論に関してはペンディングとさせていただきます。

 

ではまた。




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