人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

二人の師の差と共通するもの

長女を見てくださった二人のヴァイオリンの先生。お二人は教え方も教えるポイントも経歴も考え方もまったく違います。

 

ですから、もちろんテクニックの教え方や曲への合格の出し方も差があり、最初は戸惑ったものでした。お師匠(前先生)は一曲一曲を完全に丁寧に仕上げるまで合格を出さない方で、テクニックが追いついていない曲は振りません。キレイに弾けないならテクニックが追いつくまでは据え置くタイプの方です。

 

しかし現先生は「弾けるかどうかじゃない。弾くんだ。テクニックを追いつかせろ」というタイプ。ですからお師匠が「速く弾けないならゆっくりとキレイに弾きましょう」というところを「原曲テンポで弾くのは当然のこと。速く弾くとキレイに弾けない? なんとかして」とテンポを落とすことすら許してくれません。その代わりどんなにつたない演奏でも全力で指導してくださいます。

 

それぞれに哲学があり、完成形の見え方が違うのはよくわかります。ですからどちらが正しいとか、どちらが効率的とか、そういうことではないと思います。習う人にとってステージがあり、そのステージごとに教えていただく内容に違いがあるというだけのこと。

 

ですがおもしろいことに、ひとつの点に関してはお二人とも共通していて、それが私にとってはとても心地よいものでした。

 

お師匠「ダントツ上手ければ、関係ないんです」

現先生「型とか流派とかはどうでもいいので、正確な音程、リズム、テンポで弾いて」

 

変に家元流派のような考え方でこの道を教えていないところ。結局いちばん上手に弾ければいいという現実派路線。こういう考え、私は好きです。

 

だからどんなに厳しい指導が入ろうと、思想が一致する私たちは喜んで聞けるのでした。

 

ではまた。



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