人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

ごほうびに買ってほしいもの

我が家では基本的に本は子がほしがればあまり制限せずに買っています。ふろく付きの女の子雑誌っぽいおもちゃみたいな本は最近はあまり買いません。長女も二女も、子供向けの小説を読むようになりましたし、慣用句やことわざの本なども楽しんで読んでいるので、あまりそういうふろくをほしがらなくなったのです。

 

大きな買い物(といっても数千円レベル)は誕生日かクリスマスと相場が決まっています。つい一年前まではプリキュアが大好きだった姉妹なので(今でも好きですが)、こういった時期にほしがるおもちゃは変身グッズが主でした。

 

が、さまざまなものに興味が生まれる年齢になったのか、街中で見かけたものや友だちから聞き知ったものなど情報量が増えたことで、「あれがほしい」という頻度が増えてきました。二女なんかは「今度、発表会をがんばったら、日記帳がほしい」とまだかわいらしいことを言うのですが、問題は長女です。

 

「ラジコンがほしい」

 

……おいっ! 今タイムリーすぎるだろ! あれか、ドローンとかいう首相官邸の上を通過できる代物か!

 

「ううん、飛ばなくていい。車のやつ」

 

実はコンクール全国大会前にこれを言われていて悩みました。というのも、子どもでも楽しめるような命令したとおりに動く、いわばトイラジはあまり与えたくなかったのです。なぜって? 本物じゃないから。

 

私は小倉智昭が『タミヤRCカーグランプリ』のナレーションをしていたころテレビにかじりついていた世代です。そんじょそこらの子供だましのラジコンなど、すぐに粗大ごみになってしまうことをよく知っています。その手の類は子どもに安全に作られていますから、どんなにムチャをしたところでたかが知れているのです。つまりすぐ飽きる。どうせ触らせるのならばある程度のスピードが出る本物がいいに決まっていると思うわけです。

 

でも高い。子どものおもちゃにしてはちょっと金額が張ります。かなり悩んで悩んで、コンクールである一定以上の賞を獲ること、を条件に出しました。親の私も「無理だろう」と思っていたので、正直とれるとは思っていませんでした。

 

全国大会で成績を見た長女の第一声は

 

「パパーッ! ラジコン買ってくれるんでしょ!!!」

……今度おもちゃ屋めぐりしてきます。

 

長女にグッジョブと小声で呟く私めをお許しください。
長女がすぐに飽きたら笑ってやってください…。

 

ではまた。