人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

ベンリトミコエモルトラルガメンテ

伴奏あわせのときの一こまです。先生は長女にしつこいくらい楽譜に書かれた音楽用語を「自分で調べておかないとダメですよ」とおっしゃいます。

 

特に「華麗なるポロネーズ」のもっともキモになるであろう音楽記号が「largamente」。ラルガメンテ――幅広く、ゆっくりと。「ベンリトミコエモルトラルガメンテ。どういう意味?」と突然聞かれます。え? と楽譜を覗き込む長女。

 

「ben ritmico e molto largamente」

 

とてもリズミカルに、かつ、非常に幅広く――。まったく答えられない長女さん。そりゃそうだ。アルファベットすらまだ怪しいくらいだし。イタリア語だから親も及び腰だし。でもいい機会ですし、これは勉強させたほうがいいかもしれないですね。

 

ピアノのI先生は相当弾ける方で、もちろん受験も経験されたのでしょう、先生の

 

「受験になってから慌てて勉強するんじゃなくて、曲を読むたびに少しずつ覚えていくと、今からラクですよ」

 

という言葉にブンブンと音が鳴りそうなくらいうなずいてらっしゃいました。……だいぶ苦労したのでしょうね。ヴァイオリン単体の曲にはそこまで変態がいないのでいいですが、ピアノはいろんな作曲家がいるから……。

 

「sortie du matin. il pleut. le soleil est dans les nuages. assez froid. bien. petit ronron. quel joli rocher!」

 

とか書かれてもね……。しかもこちらはフランス語。英伊仏露独。音楽家はマルチリンガルである必要があるので本当に大変です。

  

お読みの方に上記指示を読まれた方はいらっしゃるのでしょうか
有名な曲ではありますが、あまり演奏しているのを聴いたことはないですね……

 

ではまた。