人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

大好きな先生との伴奏あわせ

長女が節目ごとにお世話になっている伴奏の先生がいらっしゃいます。お教室におっきなフルコンサートグランドがあり、いつもニコニコとやさしい方です。お師匠が「長年信用してきた伴奏者」と太鼓判を押してくださった方でもあります。

 

長女がとてもなついている方で、教えを請う師が変わってももう一度お願いしたいとずーっと言っていました。基本、長女は今まで伴奏してくださった先生は全員大好きなのですが、このS先生は抱きついて甘えられる特別な存在のようです。5歳のころからお世話になっていますからね、当然かもしれません。

 

そんなわけでヴァイオリンの先生の前でS先生と伴奏あわせ。

 

さぞや息があうだろう、と思っていたら……。先生が少し慌てていました。

 

「ど、どうしたの。なんだか急に勢いのない音楽になっちゃったよ? 縦にブチッブチッと切れてる。もっとつなげて。クライスラーのときも言ったように、音をつなげるんだよ?」

 

と、叱っているというよりは、体調を心配するような口調であちこちと修正指示をくださいます。形にこだわりすぎて全体が見えなくなったような演奏だったのでしょう。この日は本番直前だというのに、そういった指示だけで終了してしまいました。最後まで心配そうに「音をつなげてね。もっと楽しい感じに弾いてね。本番がんばって」と励ましてくださいます。S先生からも「細かく練習しすぎたかな?」と意識の面をご注意いただきました。

 

でも、長女はどこか納得している様子でした。「あーそうかもねー」という感じの表情。これはそこまで悲観することもないかな? モーツァルトの4番を弾いたときのように「楽しく! 楽しく!」をキーワードに練習しよう。

  

長女もタフになったと思うので、心配はしていません
さあ、本選まであと少し、がんばろうね

 

ではまた。