イギリスの音楽教育事情1
今日は本ブログに寄稿いただきました貴重なレポートをご紹介したいと思います。
イギリスはロンドンにご家族で在住の方で、家族ぐるみで頻繁にメールのやり取りをさせていただいているペンパル(使い方あってますか?)です。お子様の芸術的感性にいつも驚かされていまして、文才、画才、演奏力、作曲力にも恵まれているという、なんというか私からしたら天使みたいな子です。我が家と同じ子育て世代なので悩みも一緒。教育について、環境について、常々思うことなどお持ちの様子です。情報交換を通じていろいろと勉強させていただいています。
そんな折、ロンドンでの音楽教育環境が話題にのぼりまして、そのレポートがシェアしたいと思わせる力作でした。これはわが子に与えている音楽教育を振り返ったり、「ヴァイオリニスト=ジーニアスでなければならない」という思い込みに一石を投じたりと、多くの議題を提示してくださっていると思うのです。なので無理をお願いして公開させていただくことにいたしました。
ただし、そう思っているのは私の方でして、ご本人からは以下のように注釈くださっております。
「あくまでも書き手の知っているロンドンの公立小学校の情報と周りの情報限定で、地域や学校によっては違う可能性もあります」
前置きが長くなりました。4回に分けて投稿いたします。
いつも日本の音楽教育はすごい、とこれまでなんども繰り返していてくどいと思われたかもしれませんが、事実です。でも、きちんとは説明していなかったので、少し事情を説明させてください。
まず、音楽を習っている子供たちは
・普通の子供たち
・真剣にやっている子供たちにわかれると思います。結局は、日本の方が「真剣にやっている子供たち」の割合が大きいというのが事実かもと思います。だからレベルの平均が高いんだと思います。
イギリスでは、小学生の段階で音楽を楽しむ数はたぶん日本より多いですが、その平均レベルは低いです。何よりも一番の原因は「練習しない」ことでしょう。日本でなら、ちょっとした習い事でもみんなそれなりには練習しますよね。でも、イギリスの子供はほんとうにしません。そして、親もさせません。
イギリスの普通の音楽の習い事の特徴は、楽しいが一番。完成度は問わない。先生や親に怒られたくないから練習する、という状況がない。
また、イギリスの子は早寝なので、そんなに練習できないというのもあると思います。8歳なら8時では遅い方です。6~7時に寝る子も多いです。
この事情はアメリカ在住のご家庭の方からも同じようなお話を聞いたことがあります。「練習しなさい」と仕向けると、旦那様から「どうしてあんなにやっきになっているんだ。自由にやらせればいいじゃないか」と不思議な顔をされる、とうかがいました。しかも旦那様は音楽家にも関わらず、です。
しかし6~7時就寝は早いですね! 朝6時起床として7時登校、2時に帰ってくるとすると、自宅で起きている時間はたったの5時間!
それ以前に12時間寝るの?……寝られるの?
お風呂、ご飯、勉強を抜いたら練習時間は……?
実質、1時間練習できればいいほうでしょうね。
ではまた。