人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

練習DAY

どんな話題でもアンテナを伸ばすことを忘れさえしなければ、意外といろんな情報が入ってくるものです。しかし音という情報はとても繊細で、形に残しておくのが難しいからこそ、ライブ感というものをとても大切にするのではないかと思います。

 

何が言いたいかというと、コンサート行きたいなーってことです! 生音に勝る教材はそうそう無いですからね。

 

週末は少し気を抜いて過ごしたぶん、姉妹ともに気合を入れなおす必要があります。とにかく基礎訓練を、長女はヴァイオリン、二女はピアノ、それぞれがんばりました。長女はまずは「鳴らす」特訓。楽器が変わったばかりなので、慣れることが大事です。二女について書く機会が減ってしまっているためあまり目立ちませんが、彼女も相当なペースで新曲をもらっています。今はバッハの小品やソナチネを中心にレッスン中。まだまだ曲に魂をこめるまではできていませんが、あれだけ情緒のある人なので、そのうち必ず音楽と精神がリンクするはずだと思っています。

 

しかし姉妹ともよく食べるようになった! ご飯前に2時間ほど練習すると、夕飯はそのエネルギーを取り戻そうとするがごとく修羅場になります。私が小さかったころは弟と争奪戦になったものでした。しかし姉妹はそれぞれ食の好みが違うため、あまりそのへんでケンカにはなりません。

 

食事のあと、勉強や風呂を終わらせると二女は寝る準備です。

 

長女は最後の仕上げ。特にコンチェルトが残ることが多く、ここからまた1時間弾きます。パガニーニコンチェルトは細かい部分で難しいテクニックが多く、今まで弾いたことのない奏法を身体に覚えこませるまでで一苦労。スケールの早弾きみたいなシーンの連発でもあるため、常に気を抜くことができません。

 

この日は食事時に五嶋みどりさんのパガニーニカプリスを流していました。そのとき長女が「あ、この音の出し方好き。こんな風に弾きたい」と今練習中の9番についていうのです。それは、最後のほうのSulla Tastieraと指示のある部分。母子で楽語辞典を調べて探り当て、「指板の近くで弾く」という意味らしいことを解読。仕事中の私にLINEで誇らしげに「長女、こんなこと言って、自分たちで調べたよ!」とメッセージが入りました。

 

「え、Sulla Tastiera、前に調べたよ」(私)

「……え?」(妻)

「……え?」(長女)

 

帰宅して調べた形跡を見せると「ほんとだぁ……。難しいね、イタリア語」と呻っていました。ああ、そりゃそうだ。親だってイタリア語なんてまったくわからないんだから。

 

でも、こうやって自然に多言語に触れられるのは教育上いいですね。

 

こんな毎日を過ごしています。みなさんはお子さんとどんな練習をしていますか?

 

もちろん毎日毎日、壮絶な親子バトルですよ!
それでも親子で一緒に小さな発見をしては喜ぶ時間でもあるのです

 

ではまた。