人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

コンサートのあとに

作曲家の先生のコンサートでヴァイオリンを演奏したのは長女の先生です。ですからその日はコンサートが終わり次第打ち上げなどがあって何事もなく終えられるのかと思っていたのですが……。

 

作曲家の先生は「もうひとつ本番がありまして」長女の先生は「これからレッスンがあるので」……すごいな。仕事の鬼だな。

 

さて、そんなコンサート当日ですが、実は長女もアポイントを入れていただいておりました。というのも、楽器の鳴りが悪くなっていたため、見ていただくことになっていたのです。

 

夜遅くにレッスン室にうかがうと、ちょうどレッスンを終えられた姉弟子さんとすれ違いました。コンサートにもいらしていたのでこの日お会いするのは2度目なのですが、あまりにも遅い時間に小2親子が連れ立っているのを「えっ、まさかこれからレッスンですか?」と驚かれてしまいました。さすがに小2の体力では難しいです、それは避けました。

 

今日の疲れもまったく見せずに先生は応対してくださいます。「今日はどうでした?」「とても素晴らしかったです」とコンサートについて少し話が弾み、その合間に長女が楽器を取り出します。ちょっと弾いてすぐに

 

「ああ、鳴ってないね。駒が横にズレてる」

 

駒が!? いじってないよね? 長女。

 

「いじってないよ! ただちょっと弦が引っかかったときにトントンって叩いたけど」

 

それだーーーーーーーーーっっっっ!!!

 

原因、君じゃないの。勘弁してくださいよ。先生は嫌な顔ひとつせず修正してくださり、ウオンウォンなるようにして下さいました。やれやれ。

 

何度も書きましたが音楽家って体力勝負ですね
どんなに疲れていようと顔色ひとつ変えない先生がた、すごいです……尊敬します

 

ではまた。