人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

指板の長さ

ヴァイオリンには個体差があります。同じ3/4だからといってすべてがおなじ大きさではないのは周知のこと。「大きめの3/4」とか「小さめのフルサイズ」とか、いろんな言い方があるようで。

 

目利きの方はヴァイオリンの顔を見ただけでどこの国のものかわかってしまうそうです。耳のいい人であればすぐに年代までわかるとか。本当ですか? と首をひねってしまうほど、私にはまったくわかりません。

 

長女の3/4の楽器は、買う前から先生が「指板がちょっと短いんだよね。どうしてこの長さにしたんだろう。指板の形はいいし、とてもいい職人さんが付けたとは思うんだけど」とおっしゃっていたんです。もし弾けないようであれば指板を付け替えましょう、と。

 

パガニーニのコンチェルトは最高音を出します。だからそれが弾けていれば問題ないので、今まで無視してきました。先生も「まあ弾けていればいいんですよ。物理的には弦の震えを止められればいいのだから。指板を付け替えると相当お金がかかりますしね」と苦笑い。長女に聞くと

 

「え、弾けるよ」

 

とケロッとしています。ギターを弾いていた私には、指板のないところを押さえて弾くという発想すら無いですから、ヴァイオリンってある意味すごいと思います。

 

ちなみに良い指板とは、ヴァイオリンを横から見たとき、渦巻きから途中まで凹み、駒にかけて反っていく形だそうで、反った延長線上にあわせて駒の高さを作ってやると美しい音になるそうです。

 

……私は見てもわからない。どれだけ繊細なんですかね。

 

どうして誰も計算によるパーフェクトな形を導き出せないのですかね
わからないことばかり。だからこそ面白いのでしょうけれども

 

ではまた。