読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

ケースを背負っていればお仲間

コンクール入賞やらテレビ出演やら、周囲に華やかな話題が溢れていて、本当に春だなあなんて思います。きょうだい弟子さんたちのお名前もあちらこちらで見かけるので、その都度長女に伝えてやると、「ほんと! やったー!」と我がことのように喜んでいて、なんというか、突き抜けてるなあこの人。

 

ヴァイオリンを弾いていれば、友だちだと思っている節がある。

 

先日のオーケストラの日にも似たようなことが。

 

人混みの中で、長女よりいくつか年上の女の子とすれちがったとき。長女が突然「あ、こんにちは!」と挨拶。妻は「合宿とか、マスタークラスとか、○○くんの発表会とかですれ違った子かな、誰だろう」と焦ってお辞儀すると、向こうの母娘さんも似たように焦ったようにお辞儀して、何事もなかったように別れたそうで。

 

妻が「お知り合い?」と聞くと長女は

 

「ううん、知らない。ヴァイオリン背負ってたからお仲間だなって思って」

 

えええええっ。何それ。すごい度胸だな。

 

そういえば。マスタークラスに出かけたときも、会場で初めてあった子に遠慮無くがんがん話しかけていました。あまりつきあってくれない子もいましたが(そりゃそうです、本番前で緊張しているのだから)、中にはいろいろとお話してくれる子もいて、そうやって顔見知りを作ると、翌日会ったときに「あっ、○○ちゃん!」と親しげに挨拶してその場を楽しんでいる。小さな子ともすぐに仲良くなり、披露演奏会のあとには階段で追いかけっこをする始末。

 

まあ世界のS先生に「せんせーーーい!!」と駆け寄る人だから。怖いもの知らず、というのが本当のところなのでしょう。大人になるにつれてそういう部分も削れていくのかなあと思うと、ホッとする反面、もったいないな、これはのばしてやってもいいところなのではないかな、なんて思います。

 

どこかでヴァイオリンのケースを背負っているとき、急に親しげに挨拶されたら、それはもしかしたら、うちの長女かもしれません。

 

なんだか「いい話の絵本」みたいな〆かたをしてしまいました
そのそばで、親はいつもヒヤヒヤしているんですけどね

 

ではまた。