人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

親としての自分と子供のころの記憶

先日録画していたクラシック倶楽部にて、竹澤恭子さんのブラームスソナタのリサイタが放映されていました。今年3月に行われたもので、はやくもこうして聴けるというのはなんとも贅沢な話。

 

……もうね、なんなんですか。ブラームスのソナタは今までたくさんの演奏家のものを聴いてきましたが、実はそこまで好きになれませんでした。いろんな人から「いい曲だ」「素晴らしい曲だ」と言われていたので、私もそれなりに努力して好きになろうとしてきたのです。が、「まあ良い曲だよね」で終わってしまっていて、どうして皆がそこまで評価するのか、いまいちわかっていませんでした。

 

が、心から好きになりました。言葉も出ないようなブラームス。今のところ私の中で竹澤さんの演奏がいちばんしっくりきたようです。これで他の方を聴き返すときっと違う感想が生まれるんだろうな。竹澤恭子さん、素晴らしいですね、一度は生で聴きたいです。

 

まだ私が今の長女や二女と同じくらいの年齢のころ。何をやっても「よくできたね」「すごいね」と褒められていた気がします。が、ちょうど3年生くらいを境に、急に厳しくしつけられはじめた記憶がなんとなく。

 

もしかしたらそれ以前の記憶がないだけなのかもしれませんが。

 

振り返ってわが子育てはというと、同じ道をたどっている気がしてなりません。ことヴァイオリンに関しては、どうしても厳しくあたってしまうことがあるのです。なぜだろう、と冷静なときに振り返ってみると、どこか「これくらいはできて当たり前」とか「世の天才児はこんな努力を努力と思わずにやっているはず」という焦りが生まれてきているのだと思うのです。

 

任天堂の故岩田社長がとても含蓄深いことを言っていました。

 

岩田氏:
 要するに,「自分の好きなことと嫌いなこと――もっと言えば,自分がやりたいこととやりたくないこと――を,自分が得意なことと得意じゃないこととイコールだ」と思い込んでる人が多いです。本当は,それってかなりズレてるのに。

川上氏:
 ああ,ズレてますよね。

岩田氏:
 好きじゃないけど得意なこともありますし,好きだけど,実はあんまり得意じゃないよっていうことも結構あって。だから,仕事というのは「得意なこと」をやった方がいいんです。好きだけど得意じゃないことに溺れると,仕事っておかしくなることが多いんです。

4Gamer:
 好きだけど得意じゃないこと,ですか。でも,自分でそれを見分けるにはどうすればいいんだろう。

岩田氏:
 自分の労力の割に周りの人がすごくありがたがってくれたり,喜んでくれたりすることってあるじゃないですか。要するにね,「それがその人の得意な仕事なんだ」って話で。逆に,自分的にはすごい努力して,達成感もたっぷりあるのに,周りからは「はあ?」みたいに思われることもあって。それはね,本人が好きだったとしても,実は不得意なことかもしれないんですよ。

 

出典はこちら。

www.4gamer.net

 

さて、自分の子にあてはめて考えた場合、「好きだけど得意ではないこと」と「好きではないけど得意なこと」は何なのでしょうか。

 

そして、「特に苦労していないのに周囲がありがたがってくれること」とは何なのでしょうか。はたしてそれはヴァイオリンなのか。音楽なのか。

 

悩まない日はありません。だから厳しくなっちゃうのかな。反省。

 

親の気持ちがわかる歳になってきたということでしょうか
しかし子の気持ちだってわかっているはずなのだし、もう少し冷静にいたいものです

 

ではまた。