人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

心配ぁぁ~いないさぁ~~ぁ

日曜日、いつも惰眠を貪る姉妹に声をかけると、渋々ながらもちゃんと布団から出てきました。ご飯を食べて、身支度して、練習して。

 

なんだか規則正しい人たちみたいですが、違います。目の前にえさがつるされているだけです。そう、劇団四季のライオンキングを観に行くのです。

 

それなりに余裕を持って家を出たはずなのに、着いたのはけっこうギリギリでした。というのも行き慣れない場所のためペースが掴めなかったんですね。それでも現地にはファンらしき人たちがわんさかと劇場に向かって歩いていて、観劇するんだな、という心の準備をもらえます。

 

劇場は思ったよりも少人数規模でしたが、これくらいの舞台でないとお客全員が満足するクオリティに仕上げられないのだろうと感じました。休日ですから当然のように満席。常連さんも多数いるようす。じじばばや私の弟夫婦も揃い、全員でわくわくしながら観劇スタート。

 

いやー、舞台装置の計算された構成、衣装や小道具の巧みさ、音楽とライティング、そして演出の見事さに感銘を受けまくってきました。これはクオリティが高い! 特に舞台装置はすごいですね。あれを考えた人は天才だと思います。

 

原作吹き替え版の声優さんに声の似た役者さんがやっていたおかげか、誰が喋っているのかなどは比較的わかりすく、映画で予習済みの姉妹もキャッキャ言いながら(じゃっかんうるさく)楽しんでいました。特に二女は芸術的センスやお話の筋書きにとてもうるさい人なので、若い叔母さんにむやみやたらに話しかけていて、ちょっと迷惑をかけてしまったでしょうか。

 

私はスカーが断然お気に入り。完全悪だった原作よりも「悪人にも三分の理」といった同情を引くような人間くささがあって、とても惹かれました。妻は「ハゲタカ! たぶんあの人は劇団でも1、2を争う技巧派だと思う」と大興奮しておりました。ダンスの善し悪しはそこまでよくわからない私は、はあ、そうですか、とうなずいておきましたが。

 

姉妹は原作映画で「スカーと? スカートをはくの?」というしょーもない親父ギャグに大爆笑していた人たちで、舞台でも同じように再現されたときに「きゃーっ」と変な黄色い声をあげていました。

 

全員大満足ながら、陰でポソッと義妹さんに「でも原作からして物語、よくわかんなくない?」と声をかけると「あ、わかります」と笑っていました。私だけではなかった!

 

帰りに夕飯を食べたあと、目の前にそびえ立つ東京タワーを見た姉妹が「登りたい!」と登山家のようなことをいうので全員で歩いて東京タワーまで。展望台の見下ろし窓でぴょんぴょんジャンプして、怖がる大人たちに悲鳴をあげさせて喜んでいました。悪ガキか。

 

帰宅後お風呂で大声で劇中歌を歌い、あがったら即入眠。おつかれさま。

 

とても刺激が強かったようで、脳が活性化されたのか、興奮さめやらぬ様子でした
お風呂上がりに素っ裸で雌ライオンの戦いのポーズで闘っていましたし

 

ではまた。