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人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

ドキュメント、中村紘子さん

考えさせられました。あと数回見ておきたい。もうみなさんはご覧になりましたでしょうか。

 

www.nhk.or.jp

 

素晴らしい番組ですね。ロンドン公演の演奏をフルで聴かせてくれるとは思っても見なかった。

 

中でも、ジュリアード音楽院に留学後、演奏法を全部やり直したこと、「今まで教わったことは間違っていた」と気づいてからショパンコンクールで4位をとり、帰国してみると、習った先生や音楽業界から妬みの視線を向けられ、一度はピアノを辞めようかと思ったくらいだそうです。

 

番組中で最も気に入った言葉は、「塀の際(きわ)を狙え」。

 

安全な演奏は誰の心も動かさない。しかしやりすぎてしまうと怪我に繋がる。怪我を恐れてはいけない、けれども怪我をしてはいけない。その際のギリギリを常に狙っているのが音楽家である。

 

番組はこの言葉を紹介したあと、彼女の実演を流したのですが、ともすれば乱雑ともとられかねない、ギリギリの迫力をもった、まさに塀の際を推し進むような、説得力のある演奏でした。このシーンをチョイスするあたりも番組のセンスを感じますね。

 

音を外すと「音程が悪い!」と叱られ、音程を気にして弾くと「勢いがない」と詰られ。姉妹ともそんな音楽の道をヨチヨチ・フラフラ歩いているわけですが、要するにこの際を進む力を常にキープせよという教えなのだ、と今になってようやく気づきました(遅い)。タイトロープの綱渡り。これは相当に難しい。

 

この番組はバイブルになりそうです。

 

ちなみに次に好きな言葉は「欲を捨てなさい、真摯に演奏しなさい」
欲に支配されたことがある人の言葉ですね。そして克服したからこその言葉でもあります

 

ではまた。