親子の駆け引き
姉妹は東京に夏がないと言ふ、ほんとの夏がみたいと言ふ。
姉妹は遠くを見ながら言ふ。
公営プールの上に毎日出てゐる青い旗が姉妹のほんとの夏だと言ふ。
あどけない夏の話である。
と読みそうな勢いで姉妹にねだられたので、再びプールに出かけてまいりました。「あれもしたい これもしたい もっとしたい もっともっとしたい」と言われても練習がメインになる我が家では、最も手軽に出かけて手軽に帰ってこられるレジャーがメインになってしまうのです。
というかね、今年の夏はコンクールの入れ方をまちがえたよね。
遊べないもの、これじゃ。
そんな負い目もあって、強硬に「ダメ」とは言えず、連れていきましたよ。夕方まで練習やら勉強やら終わらせて、帰ってきたらすぐに寝られるようにして。
ぎゃーっ、ひゃーっ、と言いながら約2時間はしゃぎまくり、帰り道にあるカレー屋で好きなカレーをほおばり、家のシャワーでもはしゃいで、寝てしまいました。
「ちょっとでいいからさあ、夏休みらしいことしないとさあ、日記が書けないんだよ~。コンクールに出ました、もいいけどさあ、遊んだ話が書きたいんだよね」
この論法、実は「映画を観に行きたい」ときにも使われたんですよね。
いや、実際問題として君たちが正しいよ。だから多少のワガママは聞きますよ。でも、この夏をがんばるのは、勉強だろうと楽器だろうと、一緒なんだよ。だから甘い顔はしていられませんよ。
そこはこちらも譲れない一線なのです。
問題なのは自由研究がまだ終わっていないこと!
はやめはやめに終わらせてしまいたいのですけどね……
ではまた。