人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

全国大会曲と著作権

2016/9/25追記

全国大会での曲は「完全に自由曲」に変更されたようですね。なによりでした!

 

先日は学生音楽コンクールの予選でしたね。出演者のみなさん、お疲れ様でした。お子様を見守ってこられた親御さまがた、本当にお疲れ様でした。

 

おもしろいぐらい、みなさん音楽が全然違いましたね。最初のブロックは子たちの習い事のため、後半は仕事のため途中で抜けてしまったので、どちらも見られなかったのですが、それでも雰囲気は味わうことができました。本選も楽しみです!

 

さて、同じコンクールつながりでひとつ。

 

日本クラシック音楽コンクールという、長女も参加したことのある全国区のコンクールがあるのですが、今回26回から要綱が改編されていることにお気づきの方も多いと思います。

 

その中でも一番気になった一文がありまして。5ページ「参加曲目」の(1)にこのように書かれています。

 

全国大会は著作権保護期間が満了した曲であれば自由です。

著作権が解禁されていない曲の演奏は出来ません。

著作権保護期間については著作権協会へお尋ね下さい。。

(原文ママ)

 

読点がひとつ多いのは、きっとあわてて追記したから校正で漏れたのでしょうね。……いや論点はそこではありません。全国大会の演奏曲は、作曲家の没後50年以降であること、要は「著作権フリーの曲でないとダメ」になったのです。つまりどういうことかというと、大雑把に以下に書きますが

 

●セーフ

シマノフスキ(没1937)

ラフマニノフ(没1943)

シベリウス(没1957)、など

 

●アウト

クライスラー(没1962)

ショスタコーヴィチ(没1975)

カバレフスキ(没1987)、など※

 

となるわけです。曲ごとに著作権を放棄していたり継続していたりする可能性があるので、一概にはすべて大丈夫ともすべてダメとも言えませんが、参加要綱に書かれている以上、このコンクールの全国大会では弾けないことになります。

※クライスラーは没後50年以上経っているのに? と思った方もいらっしゃることでしょう。実はこの著作権、さまざまな人の権利が被っていたりすると、没後50年を過ぎた人の曲でもまだ著作権が有効であることがあります。上記に「セーフ」と書いた人の曲でも、念のためお調べになったほうがよろしいかと。

 

ヴァイオリン曲でとても人気のあるクライスラーの「前奏曲とアレグロ」も実はダメみたいです。ジャスラックのサイトで調べてみました。その結果はこちら。「演奏」に「J」と書かれているのは著作権が生きている。このサイト、素人の私には少々使いづらかったから、もしかしたら実は大丈夫ということもありますから、直接窓口に電話して聞いてしまうほうが早いかもしれません。

 

でも……本当に? 今までは大丈夫だったのに? 実は大目に見てくれるんじゃない?

 

と思うでしょう? 思いませんか? 思った人がいたんです、我が家に。妻が電話で特攻みました(ぶっこみました、と読みます)。いえ、大人の世界ではこれを「取材」といいます。

 

日本クラコン「参加申し込み書類を当方で確認することはたぶんないと思います。ですから、弾いてしまったとしてもそれが著作権保護中の曲であれば、のちに入賞を剥奪ということもありえます。著作権についてはジャスラックの管轄ですので、そちらにお問い合わせください」

ジャスラック「著作者の出身国によって著作権に関する規定が違い、一概に没後50年で失効とも限りませんので、ご確認いただけるとよろしいかと思います。こちらにてお調べしております」

 

ですって。なにとぞご注意ください。

 

せっかく一生懸命練習してきたのに、規定違反で没収なんて悲しいですものね
海外ではすべて自分の責任になることですからその練習と思えばいいかな?

 

ではまた。