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人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

岡本誠司さんのくれた闘志

家族で『君の名は。』を観てきました。新海監督の作品はひととおり追ってきているのですが、文芸風味の作風から相当に大衆に寄りましたね。おもねったというよりは戦略ではないでしょうか。垢抜けたと言ってもいいかもしれない。若いころから各映画コンクールで賞を総なめにし、創ればファンが少しずつ増えていき、40代半ばにして集大成。見事な生き様だと思います。音楽家もかくありたいもの。

大人のほうが見て感じることは多いのではないかなー。感情のひだとか心の機微とか、色や表情に深みを見る年齢になってから見直すと、きっと姉妹ももっと楽しめるのではないかと感じました。音楽家も(略)

 

昨日、家族で岡本誠司さんのリサイタルを聴きにいってきました。ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールで素晴らしい演奏をなさっていたので、旬の今こそと思い、いそいそと。

 

実は彼がバッハ国際を勝ち抜いたとき、その直後にトッパンホールでリサイタルがあったのですが、チケットが取れなかったことがありまして。今回は後悔したくなくてサッサと席をおさえました。

ただ、昼間にエルガーやクライスラーを多く演奏されたらしく、そちらのほうにも興味があったのですが、姉妹は学校……。残念。

 

ファリャのスペイン舞曲やプーランクのソナタ、ショーソンの詩曲、そして最後にラヴェルのツィガーヌ。すべてを解説しきるほどわかっているわけではないため細かくは書きませんが、とにかくよかった! 色艶変幻自在、歌声が聴こえて来るような演奏で、ポーランドのお客さんが沸いたのもうなずける圧倒的な表現力でした。

演奏が始まると本人は影のように消えていき、音だけが世に生み出されていく。そんな光景でした。常に「その人の演奏」を聴きにいっていた私にとって、かなり衝撃的なできごと。「作曲家の思いを今に伝えることが演奏家の仕事」という名演奏家たちのフレーズを思い起こさせます。

 

アンコールにはなんとヴィエニャフスキの華麗なるポロネーズ(ヴィエニャフスキ国際のときよりよかった!)。長女がかなりウキウキしながら聴いていました。「いやあ、わたしとは格が違うわ!」……どこから目線だよ。格を比べていただくラインにまだ立ってないよ。

最後は十八番のバッハ、ヴィエニャフスキ国際でも披露してくれたソナタ3番ラルゴ。もうとにかく、本当に素晴らしかった。空気が止まった。ポーランドでもこの曲で観客の心を掴んでいました。

 

今回、何より嬉しかったのは、長女の心に火が灯ったこと!

「プーランク、わたしこれ絶対弾くと思う」

何年後に弾けるかわからない曲に、静かに闘志を燃やしていました。

 

終演後に一緒に写真を撮っていただき、サインまでいただきましたー!
二女は感動の上田晴子先生と一緒に写真撮っていただいていました

 

ではまた。