ハイフェッツの音階練習
先日、『スケール練習はつまんない!』という投稿をしましたが、そんな目線で練習法を探していたらとんでもない大物の記事が出てきたので、思わず読みふけってしまいました。
このインタビューを受けている人、ピエール・アモイヤル氏は、巨匠オイストラフに師事しようとしていた矢先にハイフェッツに「うちにこい」と誘われた世界的奏者。その彼がハイフェッツからじきじきに教わったという音階練習を公開してくれています。
ハイフェッツの音階練習は調性をどんどん変えていくことに焦点を当てています。実際コンチェルトなどを演奏すると、ずっとB durで10分以上弾いたりはしないです。すぐ他の調に転調して行きます。
なるほど! 確かにそのとおり。そして、現代音楽になればなるほど、特殊なスケールは増えていきますよね。オクターブや調が違うだけで曲の印象が変わりますし。
ある時、生徒がコンチェルトをレッスンで弾こうとした時のことですが、ハイフェッツはまずそのコンチェルトの調の音階を弾かせたんです。生徒が一つでも音を間違えると、『残念だが、君はこの調で音階も弾けないのだから、このコンチェルトも弾けないよ』と言っていました。
厳しいですね。そして、当然の厳しさです。
矢野顕子さんは、どんなに人気があって上手なアーティストでも、日々の練習をしない人とは一切共演しなかったそうです。そして、矢野顕子ご本人も、今でも運指を改善するためにツェルニー(子供をピアノ嫌いにさせる教則本)をやってらっしゃるとか。
この記事を掲載しているのは、『アッコルド』というWebサイト。弦楽専門誌『String』が廃刊になり、その編集員たちがなんとか情報を配信しつづけようとしているサイトです。
どんな形でできるかはわかりませんが、今後も応援したいと思います。