人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

指のもつれとスポーツ動作学

発表会を目の前にして、長女の演奏に乱れが生まれ始めました。

慣れのせいで、自然とテンポがアップしていき、そのため速いパッセージで指がもつれるようになったのです。なぜ指がもつれてしまうのかは自分でも自覚症状があるらしく。

「まちがわないぞーって思うと、体がカチンってなる」

ああそれは、万人が必ずなる症状だから。

今までそんなプレッシャーをものともせず弾ききってきた長女でしたが、いつか必ずこの問題に直面するだろうと思っていました。

スポーツ動作学、という学問があります。心と体の間に乖離が生じ、歯車がかみ合っていない状態を動作不自由といい、スポーツ選手における「本番に弱い」「プレッシャーに弱い」症状というのは、脳性マヒの子における動作不自由と化学反応的には同じである、というのが大まかな内容です。

とにかく指先と頭の命令とが空回りしあっているのが指のもつれです。これを解消するには、メンタル的なケアを目的とした練習が必要になります。

よく、速いパッセージはゆっくり弾けといわれます。これはスポーツ動作学的にはとても効果的な練習方法なようです。ゆっくり弾いて指の動きと脳の命令を合致させる。その合致度をなるべくぶらさないように、少しずつスピードをアップしていく。そうすることで「できる自分に安心」して、精神も安定し、本番で余計な力みが入らなくなる、という理屈です。

あと五日しかありませんが、つっかえるところをゆっくりと練習することを徹底するしかないようですね。

ご参考までに、スポーツ動作学の本を一冊ご紹介しておきます。学術書なので少々お高いですが、書いてある内容は平易で読みやすいので、おすすめします。

スポーツ動作学(講座・臨床動作学) 成瀬悟策・編




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