人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

和波たかよしさんに考えさせられる

妻が図書館から大量にヴァイオリン関連の書籍を仕入れてきました。その中には佐々木朗さんの本もあって「これ買ったってば」「え、知らなかった、言ってよ」なんてこともありましたが、フジコ・ヘミングの河出書房のムックなどは「これ作るの大変だったろうなあ……」と編集目線で楽しませてもらいました。

 

これ1冊ですべて分かる 弦楽器のしくみとメンテナンス―マイスターのQ&A

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フジコ・ヘミング (KAWADE夢ムック)

フジコ・ヘミング (KAWADE夢ムック)

 

 

そんな中、読みふけってしまったのが、和波たかよしさん(孝にネ+喜)の『ヴァイオリンは見た』でした。 

ヴァイオリンは見た

ヴァイオリンは見た

 

 

「盲目の」という形容詞がついて紹介されることが多いと思いますが、江藤俊哉シゲティー、オイストラフ、ヴェーグといった巨匠に師事した日本を代表するヴァイオリニストです。紫綬褒章を受けるくらい日本のヴァイオリン文化に貢献なさった方で、毎夏八ヶ岳で開催されるサマースクールは伝統となっています。

 

さて、彼の本で随所にあらわれるのが「音楽への愛」というテーマです。

 

音楽を愛せよ。その他のものは後からついてくる。そういう哲学の上で生きてこられた方ですから、中途半端な気持ちで彼に接すると、きっと居心地が悪くなることでしょう。でも心から音楽を楽しむ人にとっては誰よりも頼もしい存在のはず。

 

音楽愛の次に多く書かれているのがこちら。

 

基礎訓練が不十分なのに難しい曲を弾いている人もいた。そのような場合は、右手の動かし方や左指の訓練法など、基礎練習の大切さを教えたが、結局音楽の道には進まなかったようである。

公式サイトより

 

著書でもコラムでも書かれていたことから、かなり強調したい様子。

 

振り返って怖くなりました。娘は基礎的な練習、まだまだのはず。もちろんスケールもカイザーもセヴィシックも毎日欠かさず勉強していますが、足りていると思えたことは一度もありません。「本当にこれでいいのだろうか」とこわごわ日々を過ごしています。本人も嫌がらずにやりますがその心のうちは義務感だけで、気持ちは曲を弾きたいということに向いています。

 

とはいえ押さえつけて一日中スケール!みたいなことをしていてもモチベーションが下がるでしょうし、なかなか悩ましいことです。やはり本人のアハ体験がないと、基礎練習に気持ちは向かわないのかな。

 

親は提示と応援しかできません。やるのは本人。つらいところです。

 

ではまた。




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