人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

TLPエピローグその1

TLP=飛び込みレッスンプロジェクト、ようやく起承転結の「転」まで来たでしょうか。

 

プロジェクトを考えるきっかけになったのは、八月の半ばに書いたこちら。

  

夏休み中に毎日長女と向き合ってきて、「今動かないと後悔するかもしれない」と思い立ったのが八月の末のこと。そのときの心情を書いたのがこちら。 

  

まずは目標を立てました。

 

・カラーの違う教室を三箇所選ぶ

・体験レッスンを必ず受ける

・すべてを一ヶ月以内に終わらせる

 

長女の体力とやる気をてんびんにかけ、自宅から無理なく通える距離にあり、かつ哲学の違うであろうと思われるお教室を探します。そもそも「師を替えること」が目標ではなく、長女に一番ふさわしい師は誰なのかを知りたい、というのがことの発端。当然現在の師に習い続けることも念頭に置いて、三箇所を選びました。

 

次に、単発レッスンに申し込みました。たとえ無料でなくとも「ここは」と思う方であれば、ぜひ受けさせてみたいと思ったのです。第三者からさまざまな指摘を受けるという行為は、プレイヤー(ここでは長女)の気持ちさえブレなければ、実にいい経験になります。私が大好きな本に書かれていた言葉をそのまま使うと、「言われたことをそのまま信じきる素直さは大事。でも教わったことがすべてのケースに当てはまるのか? と疑問を持つことも同じくらい大事」なのです。実際長女は、師匠に「こう弾こうね」と指示されたことと楽譜に書かれたことが違った場合、「どっちも一応練習してるよ」と言います。TLP第三弾の先生にクライスラーを聴いていただいたとき「音が違うよ」と指摘された箇所がありましたが、即座に直せていました。「うん、そうだと思ってた」とシレーッとしてました。

 

そして最後。一ヶ月以内に結論を出すところまで行く。これは意外と大事です。理由はみっつ。なるべく近いタイミングで三者のレッスンを比較しなければ意味がないこと、体験レッスンをしてくださった先生に結果をお伝えするにあたり一ヶ月以上あいだをあけるのは失礼にあたること、そして親に迷いが生じてしまうこと。九月にすべてのスケジュールを詰め込み、その月のうちに結論を出そうと決めました。

 

会議は単純でした。まず長女の意見を聞きます。

 

「どうだった。誰が良かった」

「今の師匠がすきだけど、でも新しい三人から選ぶなら、一番目の先生」

「理由はある?」

「音が好きなのと、最後まで聴いてくれたこと。直さなきゃいけないところだけじゃなくて、その先まで弾いてくれたこと」

 

なるほど、と親の私たちも納得できる答えでした。

 

次に、現師匠と新先生の比較です。実はここには書けませんが(個人的にお聞きくださればこっそりお教えいたしますが)少々問題視していることがありまして、その点は長らく心にひっかかっておりました。その旨を三人の先生にお話したところ、「私の教室を選ばなくてもいいから、先生は替えたほうがいいね」と二番目、三番目の先生はおっしゃいました。

 

とはいえ、長女をゼロからここまで育ててくださった方です。その恩義は生涯忘れることはありませんし、長女にとっての思い出深い師なのです。

 

ここで一番目の先生を振り返ると、やはり圧倒的な演奏力にシビれたのは大きかった。体験レッスン後、長女の音がダイナミックに変わったんです。また、二番目、三番目の先生は長女と「対話」しようとしてくださいましたが、言葉の選び方がまだ一年生に向けてのものではなく、親が翻訳しないと通じないことが多々ありました。一方で一番目の先生は「弾く」ことで「ね、わかるでしょ」とかなり高度なことも実演で伝えようとしてくださいました。それは親の介入できる部分ではなく、師と弟子のマンツーマンの世界。これぞ求めていた教育であり、求めていた関係性だと思うのです。

 

そして何より、決して現お師匠のことを悪く言わなかった。これも大きかった。

 

かなりあっさりと決まりました。一番目にお会いした男性の先生にお願いすることにします!

 

あとは、各方面への説明と、現お師匠へのご報告。

 

話はもう少し続きます。しばしお付き合いを。

 

ではまた。




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