人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

藝大モーニングコンサート

芸術の秋だからでしょうか、今月は東京藝術大学で行われる1,000円のコンサート『モーニングコンサート』が二回あります。

 

藝大には奏楽堂という1,102名を収容するホールがありまして、院生や先生、プロ奏者を擁する『藝大フィルハーモニア』演奏のミニコンサートがしょっちゅう開催されているのです。ソリストとして舞台に立つ学生にとってはたまらない栄誉、とても贅沢な機会ですし、客にとっては未来の大器を安く聴けるチャンス。毎月は無理ですが、私たち夫婦は結構楽しみにしているのです。

 

特にヴァイオリン奏者がエントリーしている回は前向きに購入を検討しています。毎回とてもたくさんのお客さんが集うのですが、それでも当日チケット売り場に行けばほとんど買うことが出来ます。時折、藤原晶世さんのように予約だけでいっぱいになってしまう人もいますが、メディアに大仰に取り上げられない限りはまずそんなことはありません。

 

とはいえ、今月聴きに行くのはシベリウスブラームス。人気の曲目なのでもしかしたら人が多いかもしれないと、妻が張り切って前売りチケットを購入していました。

 

朝から子どもたちを小学校と幼稚園に送り出して、妻と二人で行ってきました。演目はこちら。

 

指揮:山下 一史

大久保 祐奈(Fl) ライネッケ:フルート協奏曲

高橋 奈緒(Vn) シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調

 

フルートいいね! 心洗われる音でした。高音が伸びるのでオケに埋もれずちゃんと自己主張していた。ブレス音がピアニッシモをかき消していましたが、あれはそういうものなの? フルートに疎い私にはよくわかりませんでしたが、ステージパフォーマンスも含めて素晴らしかった。今後も期待です!

 

シベリウス、む……難しいですね。間近でその指使い、弓使いを見ていると、どれだけ大変なのかがよくわかります。なにあの重音スケール練習みたいな曲。ずっとずーっと難しいスケール練習し続けているような、ドMじゃないとめげそうな曲。高橋さんは第一楽章の出だしを「鷹が空を旋回している凍てついた空」のようにピリッと弾いてくれました。一番有名な第三楽章、ちょっと疲れちゃったかな? というミスはありましたが、全体的にはお見事。特に会場の空気をガラッ変えた第一声は本当に素晴らしかった!

 

オーケストラを切り裂くソロ奏者の音っていうのは、やっぱり迫力がありますね。「ここは埋もれてもいいや」と投げちゃう精神性ではやっていけないんだろうな。

 

毎回気になるのが、客層。8割以上がリタイア組でした。日本でこの業界を支えてくれている方々です。本当にありがたいことです。が、もっと若い人も来ればいいのに! 日本クラシック業界の未来を担う若手の演奏が、たった1,000円で聴けるんだよ!?

 

来週は

 

11月27日(木)
指揮:ダグラス・ボストック
石若 駿(Per) ドルマン:フローズン・イン・タイム
三輪 莉子(Vn)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77

 

です。我が家は前売りチケット買いました。開演時間が午前11時ですから、まっとうに働いている人がこられないのはわかりますが、人口比率があまりにもあからさまで、少し周囲に働きかけたくなりました。もしよろしかったら、少し出社を遅らせてご覧になってみてはいかがでしょうか。オススメです。

 


五嶋龍 - ブラームス ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77 第3楽章 - YouTube

 

龍くんの第三楽章を貼っておきます。ストラディヴァリウスは本当によく鳴りますね。とはいえやっぱり生演奏にかなう音は無いです。

 

ではまた。



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