人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

モノまね上手はお得?

長女と二女はバレエに通っています。長女は週に1回、二女は2回。

 

私が仕事をしていると、LINEで妻からメッセージが。バレエの先生からとても褒められた、と嬉しそうに書き込んできました。

 

その内容というのが、二女の「模倣能力」。バレエには動きに一定の型があり、それを組み合わせつつ振り付けの見本に倣いながら舞を作っていきます。その動きを真似する能力が高ければ高いほど得なんだとか。

 

「二女ちゃんはまだ小さいし、振りに慣れるまで大変かなあと思っていたら、あっという間に覚えちゃった」と。同い年の子たちの中では早いほうだそうです。

 

ちなみに長女は? と伺うと

 

「あの人はホンッットに早いから! 一瞬で覚えちゃう。ダントツに早い」

 

普段はとても厳しい先生なのに褒められたのが嬉しくて報告してきたというわけです。「でも、長女ちゃんは発表会に出ないでしょう? だから振りの練習のときは少し控えちゃうのね。それが少しもったいない。バーレッスンなんかは上級生にすらお手本を見せようとするくらいがんばってくれるのに」とも言われたそうで、喜んでばかりもいられなさそうですが。

 

簡単に返事をしながら仕事に戻った私は、作業しながら頭の中で別のことを考えていました。

 

そういえば模倣する能力はヴァイオリンでも言われたことがあります。こちらもめったに褒めない長女の先生が「お手本を弾けばすぐに理解しちゃうんだね」とおっしゃったこともあるくらいです(ただし、理解したことをすぐに忘れますが…)。

 

「学ぶ」とは「真似る」ことと言います。とても大切な能力だと思います。そして、どんなに真似をしても本人のカラーは消せないものです。

 

だって、モデルのコーディネートを真似したからといって、万人がモデルのように見てもらえるわけではありません。真似たものがその人に似合っているかどうかが大事なのであって、コーディネートにも、モデルにも、ましてやその人にもなんの罪も無いのです。若い頃にたくさんファッションでヤラかしていればいるほど、大人になって上手なコーディネートに落ち着くもの。若さは失敗が許される時期なので、どんどん失敗しておくといいと思います。

 

話を楽器に転じれば「真似している演奏が自分に似合った演出かどうかを判断する能力」を養うのが「自分らしい演奏」を見つけるコツなのかもしれませんね。

 

時折「あなたの演奏はぜんぶ誰かの真似じゃない。自分の演奏はどこにあるの」と批判されるコンテスタントがいますが、もしかしたら指摘の仕方を変えるだけでバケるかもしれませんよね。「××さんの真似をしたのだろうけど、あなたにはこういう理由で似合っていない。別の人の弾き方を研究してきなさい。たとえば●●さんのような」とアドバイスしてあげたら、翌年はすごい演奏で帰ってきた、なんてなるといいな。

 

はい、よく知りもしない人間のたわごとでした。

 

ではまた。



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