人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

演奏の弛緩

表題は演奏テクニックのことではありません。今日はちょっとだけ寂しい出来事のお話。

 

家族で仲良くさせていただいているご家庭の長男がチェロ弾きでした。某コンクールでも1位なしの最高位を獲るような、とても豊かな音を出す将来が楽しみな子です。今まで何度も彼の舞台を見てきた妻は、そのつど「あの子はすごいねぇ。ますますうまくなった」と我が子のことのように嬉しそうに報告してきていたのです。

 

が、先日の彼のステージを見て、ずいぶんとしょんぼりした様子で帰ってきたのでどうしたのかと思ったら、

 

「●●くん、緩んでる。辞めちゃうのかもしれない」 

 

本人から直接聞いたわけではないそうですが、受験期にさしかかり、自分が進むべき道を定めたのかもしれない。そしてそれは音楽ではない道なのかもしれない。そんなことを感じさせる演奏だったそうです。

 

聴いている人に態度や姿勢が伝わってしまう。それが音楽のおもしろいところでもあり、怖いところでもある。そんなことを考えた一日でした。

 

ではまた。

 



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