人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

「ちょっとは弾いてきた?」

長女のヴァイオリンレッスンがありました。現在の彼女の課題は当然のことながら本番に弾く予定のクライスラー前奏曲とアレグロ」です。最初、先生は「モーツァルト4番は全楽章いきたいね」とおっしゃっていたのですが、時間の都合上「余裕があったらにしよう」と方針転換したため、当分はクライスラーをさらうことになりそうです。

 

3度の重音スケールはようやく「うん、慣れてきたね。つぎは?」と聞かれるようになりました。最初のころは「全然ちがうよ。音程があってない」と全否定されていたのですが、ようやくここにきてスケールとしてまともに聴いていただけるようになったようす。こういう成長は親としてもうれしい!

 

続いてパガニーニのカプリスNo.16。チャレンジングな曲が大好きな長女は週の練習をめいっぱい使ってこの曲に注ぎ込んできたため(おい、本番用の練習はどうした!)、1回通して弾いたら先生もニコニコでした。「うん、よく弾いてきたね。指使いの違うところを直して、はっきり音がでていないところをつぶしていこう」とじっくり見ていただいたあと「これ、日々のウォーミングアップにいいから、毎日必ず弾いて」と言われました。たぶん言われなくても長女は毎日弾くと思います。勝手に20番読んだり24番読んだりしていますし……。

 

続いてモーツァルト4番第1楽章のカデンツァ、クライスラーを順に見ていただきます。クライスラーはもう8ヶ月くらい見ていただいておりますが、「よく弾けてるんだけど……闘争的に聞こえる。本来はダンス曲だからもっとシットリした音楽にしてほしいな。今の表現だと下手したら反感を買うかもしれないよ?」と笑ったあと、小声で「まあ……若いからいいけどね……」とおっしゃったのを私は聞き逃しませんでした。先生のこういうところが私は好きです。

 

そして、親子してびっくりするようなことを言われました。

 

「どう、華麗なるポロネーズ、ちょっとは読んできた?」

 

……あぶなかったー。長女が率先して軽く読んでおいてよかった! 「出だし、ちょっとだけなら……」と言ったら「うん、弾いてみて」と。たどたどしく弾くと、お手本をバァァァァッと弾いてくださり、「こんな感じ。さらっといてね」

 

先生が長女に求めているものの大きさに、ただただ唖然としました。モーツァルトクライスラーパガニーニを練習している上で、ヴィエニャフスキも読んできて、というこの感覚。「やらされてる子」だったらきっと楽譜が届いても読まないだろう、この子は「自分からやっている子」だから少しは弾いてきただろう、という予想の元おっしゃったのだと思います。

 

心から長女と先生の相性のよさに感謝した瞬間でした。

 

駒の交換のためヴァイオリンはそのまま先生にお預け。数日のあいだ離れ離れです。どんな仕上がりになるのか今からとても楽しみです。

 

ではまた。



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