人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

音程ゲシュタルト崩壊

長女のヴァイオリンのレッスンがありました。いつもどおり家族そろってぞろぞろと押しかけ、親は楽器の調子やその後の調整など話しながら、長女は準備を進めます。

 

三度のスケールは最近3つ合格をいただけるように練習していくのが習慣となりました。今回は準備不足もあって難しそうだなあと思っていたのですが、案の定最後のひとつは翌週に持ち越しに。先生も長女があまりに音程を外すので譜面をみながら弾いてくださり、

 

「そんなに難しい? ♪~~~ あ、これ難しいね」

 

と笑っていました。さすがに先生の音程は完璧でしたが、この言葉で長女はいくぶんか救われたのではないでしょうか。次は3つ合格を目指そう! 3度のスケールがちゃんと弾けるようになると、音程があいまいだった曲が急に引き締まりますね。それは華麗なるポロネーズの出だしの重音部分でとても痛感しました。

 

続いて先週からの持ち越しだったカプリス16番(パガニーニ)。いつもどおりグァーーッと弾く長女ですが、なんだかとても乱暴に弾いている感じがして親まで先生といっしょに首をかしげる始末。「先週のほうがうまかったよね」と言われてしまいました。「高い高い高い高い! ものすごく音程が悪いよ。全部高い」と注意に次ぐ注意で、先週せっかく合格まであと一息といわれたにも関わらず、再度練習することになりました。

 

まあ天下のパガニーニだし! これくらい難関でいてくれたほうが長女にもいい薬になるでしょう! ……14番譜読みしてる場合じゃないぞー。24番で遊んでる場合じゃないぞー!

 

続いて前奏曲とアレグロ(クライスラー)を通して。先生、ホッとしたように「うん、よかった、こっちまで音程がボロボロかと思ったら、平気だった。あとひと押しできそうだね」とあちこちに修正点を加えてくださいました。ひとつ修正していけば次の修正がどんどんと出てくる。そもそも根本的にまだ出来上がっていない部分もたくさんある。息を切らして、駆け抜けた道を、振り返らずにゆく、終わりなき旅です。

 

華麗なるポロネーズは「ひとまず本番に集中しよう。それまでは読んでこなくていいよ」とドクターストップがかかりました。あれま、長女さん残念そう。レッスンはこれで終了。

 

帰り際、「あの……前にもこんな風に全体的に音程が高いことがありましたよね。何か根本的に練習のさせ方が間違っているんでしょうか」と質問してみたところ「いえ、僕もありますよ。モーツァルト弾いていてもどこの何を弾いているんだかまったくわかんなくなっちゃうってこと」

 

音程ゲシュタルト崩壊。あるんだなあ。

 

私はときおりひらがなの「を」の字がよくわからなくなります。

 

ではまた。

 



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