人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

短いレッスン

長女、ヴァイオリンのレッスンがありました。レッスン室前で姉弟子さんとご挨拶。

 

先生と軽く世間話をしながら準備をすると、レッスンが始まりました。

 

いつもと違うのは、スケールが小野アンナ教本ではなく、カールフレッシュになったこと。5~8番まではくだりの一部分のみを修正されたくらいで、ほかは基本的にOK。9番は1音1弓で弾いてくるように言われていたのでそれをご披露すると、「いいでしょう、2つスラー、できれば4つスラーで練習してきて」とご指示が。1調弾けるようになると、あとは指番号さえ間違えなければ自分でどんどん読み進められますし、先にこうして細かく見てくださるのは本当にありがたいことです。

 

続いてセヴシックOps.9。57番を見ていただき「うん、ぜんぜん問題ないね。合格でいいでしょう。この教本は終わり」とおっしゃると、長女が「58番も弾いたんだけど……」とポソッとつぶやきます。「ほんと、じゃ聴かせて」と聴いていただけることに。すると「うん大丈夫。何も問題ないです」と一発合格。先生が「これは弾かなくてもいい」と判断されたものは、「もう弾けている」んですね。なるほど。すごいな先生。

 

というわけでセブシックも晴れて合格。このとき、妻が以前から不安に思っていたことをお伝えします。「あの、ローデとかドントとか、音高、音大の入試に出るようなエチュードはいらないのでしょうか」すると先生は「パガニーニ弾いているから、いらないんじゃない? やってもいいですけど。でもローデとかドントとかって、曲としてつまらないんだよね」と。ちなみに先生は弾いてないんですか?「受験前にちょっと練習しました。でもそれ以降やってないな」とのことでした。

 

「もしやりたかったら、どうぞ。IMC版を買ってください」

 

私は先生がいらないというなら、いらないのではないかと思うのですが、まあ不安に思う気持ちもわからないでもないし、基礎訓練はやって損するものでもないので、黙認といった感じ。長女がつまらなそうだったら、やめればいいんじゃないかと思います。

 

今回はパガニーニがお休みなので、続いてヴィエニャフスキの華麗なるポロネーズ。どんどん指示が入って、曲が立体的になっていきます。こういう指導をされるときの先生は本当にイキイキとしていて、楽しそうに弾いてくださるので、傍で聴いているこちらもとても楽しい。「ここはもうちょっと長くていいんじゃない?」「先生はこういう弾き方のほうが好きだな」と、指導というよりは提案のような言い方をしてくださるのも特徴的。長女も大満足のレッスンでした。

 

あれ、50分で終わっちゃった。長女が「はやっ!」と言っていました。

 

いや、一応とっていただいている時間は60分なのだよ長女さん。いつもかなりサービスしてくださっているのですよ? でももう少しやりたかったなーという長女のつぶやきを聞いて、先生も「パガニーニやりたかった?」と。「うーん」とどっちつかずの言い方をする長女にかわって、「もしやるなら、前回13番を合格いただいたので、次は何番でしょうか」とお聞きしました。

 

「20番やっておいてください」

 

おお、20番は長女も好きな曲だ! 「わたしちょっと弾いた!」と冒頭だけ弾くと、先生が「それ、ひと弓で弾いて」と軽くご指導が。なんだかうれしそうな長女さんでした。

 

パガニーニはこれで16、14、13と進んで20。これが終わると、1/6が終わることになります。年に6曲くらい進めば4年で終わるなあ。8曲なら3年。3年後といえば小学5年生。そのころは学コンにチャレンジしているだろうか。などと、遠い未来に思いを馳せる父親なのでした。

  

本人はパガニーニ大好きみたいなので、親もストレスがなくて助かります
その日の午後、ひととおり最後まで弾いていましたが、20番難しい!

 

ではまた。