人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

新しい先生との伴奏あわせ

長女は、今年度にヴァイオリンのコンクールを2つ受けます。片方の予選は終わり、もう片方は本選まで終わっています。後者のコンクールは全国大会で初めてお願いする伴奏の先生に弾いていただくことなっており、今回、その先生との伴奏あわせがあったのです。

 

伴奏のM先生は、ヴァイオリンの先生がとてもとても前のめりにご紹介くださった方でして、M先生の演奏を評していわく、

 

「天才。こないだピアノコンチェルトを聴いたけど、涙が出てきた」

 

……ちょっとまってください。そんなにすごい方に伴奏していただくんですか? ていうか小学生の伴奏なんてやってくださるの? と思ったら、同門の姉弟子さんたちが伴奏してもらっていました。妻はじっくりとその演奏を聴いたそうで、「とてつもなくうまかった」と。うう……気後れする。

 

いや親が気後れしている場合じゃないだろ。でも、長女は先生に「演奏に神経が入っていない。大丈夫?」と大量にダメ出しされた直後で、この伴奏あわせまでに1回もレッスンしていただいていない。怖いなあ……。

 

簡単にご挨拶して、伴奏あわせとレッスンが同時にスタート。完成しきっていないものだから先生が容赦なく演奏を止め、次々とご指摘くださる。ピアノとの伴奏あわせというよりは、長女のためのレッスンになっています。

 

そして、ピアノはというと……いっさいのゆらぎがなく、文句のつけようがない。普段と違う伴奏の雰囲気なのですが、誰からも文句が出ない。逆に長女のヴァイオリンが上手くなったように聴こえるほど。しかも、「おお、ここはそう弾くんだ! 確かにこのほうがカッコイイ!」と思える箇所がいくつもあって、私も新鮮でした。ピアノが素晴らしいと、今まで「これでいい」と思っていた長女の演奏が突然つたなく聴こえる部分も。つまりそういう箇所をつぶしていけば、全部に神経が通るのではないでしょうか。

 

すごい人だなあ。M先生に「よかったよ」と言ってもらえるように、必死に練習しようぜ長女。新しいモチベーションになりそうです。

 

伴奏していただけるのも今だけかもしれません
そのうち手の届かないお方になってしまうのではないでしょうか……いや追いつけ、長女!

 

ではまた。