人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

姉妹が今立つところ

10月に入り涼しくなってきました。ヴァイオリンのペグがぐわんっと緩んで音程が唐突に低くなるなんて事件が起きたくらい、乾燥が進んでいます。咳風邪が流行っているみたいなので、みなさまどうかご自愛下さい(日本限定?)。

 

日々練習を見ていると忘れてしまうのですが、長女は小2、二女は小1なんですよね。楽器に関係ない世界にいるときの姉妹を見ていると、なんだかの別の人格のように思えてしまいます。それくらい、子どもだけでいられるときのふたりは無邪気で幼い。

 

 

先日、親戚連中が一堂に集まる日がありました。はじめましての犬がいたり、同い年の又従姉弟がいたりと、半日をとても愉しそうにはしゃいでいました。その場では私たち夫婦も「長女がコンクールで」とか「二女もピアノで」とか、その手の話題は出しません。聞かれれば答えますが、あえてあまり話さないようにしています。そのぶん、子どもたちは自分だけの世界で汗だくになって走り回っていました。親子ともにありがたい空間です。

 

地元のお祭りにも参加しました。姉妹は地元の上級生や他校の子たちと混じって、子どもたちにしか通用しない「お前たち見張りな。この基地を守ってろ」という理不尽な言いつけを一生懸命守っていました。そしてよそ者が入ってくると「入っちゃダメ!」と突然偉そうに立ちふさがるなど大人からすると恥ずかしい行為の数々を臆面なく披露しまくり、立派に小学生しています。

 

久しぶりに幼稚園からのお友だちも家族して遊びに来てくれました。私は帰りが遅くて顔をあわせることができなかったのですが、ふた家族とも幼い頃の姉妹をよく知ってくれていて、親子ともども気の置けない友人たちです。

 

姉妹とも幼いながらに、必死に自分たちの生きる場所を求めて、理不尽にさらされたり、甘酸っぱい体験をしたり、辛い思いをしたり、哀しい思いをしたり、でもそれを跳ね返す力を身につけてきたり、協力や団結を覚えたり、競い合う楽しさを感じたり……。どんどん成長していきます。ひとりで立つことを覚えていきます。

 

楽器の世界は大人に都合の良い世界。だから大人の理屈が一番まかり通る世界。全然別物なんですよね。そこを忘れてしまうことが子に負担になるかもしれない。バランスが大切なんだよなあ、なんてことを考えたこの数週間でした。

 

今週末、長女は久しぶりにレッスンがあります。楽しくて、時に嫌になることもあって、でも嬉しいことがいっぱいある、大人の世界に再突入です。

 

親の気持ちは嬉しい反面、複雑な思いもあるのです。

 

季節の変わり目でセンチメンタルになりやすいのかな
焦らずのんびり、ってこういうときに大事なのかもしれませんね

 

ではまた。