人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

初のメンコンレッスン

長女さん、ヴァイオリンのレッスンがありました。

 

先週はひどい状態でレッスンを受けてしまったので、今回は汚名返上とばかりにしっかり準備していきましたよ。

 

さっそくD durのスケールを見ていただき、先週よりはキレイに弾けているなあと思っていたところ、先生から唐突にこんな注文が。

 

「美しく弾ける? スケールだけでお客さんが感動するくらいに」

 

なんと難しいご注文。がんばって弾いてはみますが、あんまりいつものスケールと変わらない感じがしました。先生もきっとそんな印象だったのではないでしょうか。「曲だと思って練習してきてね」と言われて翌週に持ち越し。ただ、これって仕上げの段階なのかもしれない? とも思ってみたり。

 

続いてパガニーニカプリス22番。pfの強弱、テヌート記号の弾き方、アクセントのつけ方などを教えていただきました。確かに演奏がかっこよくなる! ここまでくるとあとは仕上げです。あと1~2週で合格をいただけるのでは!?

 

そして本日の長女的メインイベント。メンデルスゾーン協奏曲! 好きこそもののナンとやらで、3ページ目くらいまでは譜読みしてきたことをお伝えすると「じゃあそこまで弾こうか」と。しかし出だしを少し弾いたところで……。

 

「……そこ、ピアノだよ?」

 

ですよねー! なんでそんなに強く弾いちゃうんですかね長女さん。きっといろんな人の演奏にこもる情念が、フォルテに聴こえてしまうのでしょうね。印象だけで演奏しちゃだめー。ちゃんと記号見て!

 

リズムが取れないところがあったり、ボウイングが違ったりした場所をいくつか教えていただきつつ、全音符8小節のシーンに差し掛かると……。「そのまま弾いていて」とおっしゃった先生が、おもむろにヴァイオリンを構え、オーケストラ部分を弾いてくださった! 親は主にそっちに感動してしまいました。

 

その音色に吊られるようにして、長女も情緒豊かに弾こうと努力していました。

 

弾き終わると、先生は「どう、難しいでしょう」と。親は「む、難しい」となっていたのに、長女は「え、どうして、弾けてるよ?」みたいな顔をしていました。うーむ、知らないって怖い。諸葛孔明なら「そういうのを匹夫の勇という」とピシャリだろうなあ。

 

続いて「パガニーニのコンチェルトはどう?」と聞かれたので、「少し弾いたから聴いていただいたら?」と水を向けると長女は恥ずかしそうに「いや、あれは……ぜんぜんダメなので、今日は弾かない」と急に遠慮がちに。じゃあこれは翌週に聴いていただきましょうか。今日から比重をパガニーニに寄せていこうね。

 

最後にヴィエニャフスキ。1回通して聴いていただくと「うん、悪くないんだけど、ちょっと表現が後退しているよ? 気持ちをこめて弾いてごらん?」とのご指摘が。長女、がんばって弾くと「そう。今のは良かったけど(何も言わないと)表現が後退しちゃうね」……そうなんですよー。気が抜けちゃったのかなあ。あの新鮮な喜びをもっと思い出しておくれ。

 

学コン、ショパコンなどについて、少し雑談も多く、和やかな雰囲気で終了。

 

夫婦してお教室を後にしながら「メンコン、全否定されなくてよかった~!」とため息をついていました。

 

かといって良かったというわけでもないのでしょうけど……
親が少し恐れすぎかな? 長女の弾きたいように任せてみるのが一番ですよね

 

ではまた。