人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

自宅で弾き合い会

夕飯を家で食べたいと思い、LINEで「食べるものある?」と聞いたとき、予想外の返答をされて思わず帰路を急ぐ歩みが緩みました。

 

「コめん、うりきゆ」(原文ママ)

 

……え、なんて?

 

「ごめん、売り切れ」

 

どんだけ切羽詰まっているんでしょうか。いくらこれから行事が詰まっているとはいえ、もう少し心に余裕を持っておくれ。

 

そう、週末にはピアノのお教室の発表会が、翌週頭にはレッスン、そしてコンクールと、翌週にかけてぶっつづけでいろいろあるわけです。まあ目が回るように忙しいだろうことは想像に難くない。

 

この日も自宅で姉妹の弾き合い会をしたといいます。ドレスを着て、発表会と同じように拍手に応えてお辞儀をして、弾いて袖に下がるまでをシミュレートする。ただただ褒めてふたりのモチベーションをあげることだけを考えていればよかった幼稚園生のころとは違い、人に見られていることを意識しだすとこれがまたいろいろと神経をつかいます。

 

演奏にももちろん注文が入りますし、うまくいかずに立ち呆けて泣き出してしまうこともあります(主に二女)。残り少ない日数で舞台に立つまでの雑味を洗い出し、ひとつずつ潰していくのにとても適している自宅の弾き合い会。ドレス姿での動き方もこのときに試すことができ、ヴァイオリンを身体に近づけて持ちすぎると、レースにアジャスタが引っかかって大変なことになるなども体験しました。

 

こういう裏の地道な作業が、姉妹の本番舞台を助けていることを、彼女たちはまだよくわかっていない。少しはママに感謝してよ。

 

でも自宅弾き合い会をとても楽しみにする姉妹です
そういう姿勢を見せてくれるといくらか心が救われるんですよね

 

ではまた。