人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

ご挨拶の日

長女と二女にヴァイオリンを初めて教えてくださったお師匠は、常々「ヴァイオリンをキライにならないでほしい」という立ち位置からアドバイスをくださる方でした。我が家は妻がピアノを習っていた経験があり、私がギターを弾いた経験がある、という申し訳程度の地盤があったおかげか、比較的きちっと練習をさせていたほうらしく、「本当によく練習されてます」といつも褒められていました。

 

そうでないご家庭ではきっと、親御さまもどう教えていいやらわからず、お子さまにもその気持ちが伝わり、ドロップアウトしていくなんていうことがよくありがちなのでしょうね。だからこそお師匠は「ヴァイオリンをまずは好きになってほしい」と教えられてこられたのでしょう。

 

それを教えるときの常套句が、

 

「ヴァイオリンを弾きたくないなー、っていう日があってもいいんですよ。でもそのかわり、毎日お顔だけはちょっと見てあげてね。蓋を開けて、ご挨拶するだけでいいから」

 

というものでした。

 

二女、お師匠とのレッスンを休止して以降、なんだかんだで自分で開いては少し弾きたくなる様子です。でもまったく意識していないと完全に忘れてしまうので、「カレンダーにこの日はご挨拶って書いておけば」という妻のアドバイスに元気よく「うん!」と返事をして、丸印をつけていました。その日が来ると妻は「今日はご挨拶の日だけどどうする?」と声かけだけしているそうです。たいていそんなとき二女は蓋を開いて10分くらい弾いている模様。

 

いままで弾けなかったディズニーメドレーなどではありますが、ニコニコして構えています。

 

ヴァイオリンをキライにはならなかった。それだけは唯一、お師匠に顔向けできることだと思います。「また弾きたくなったらいつでもレッスンするからね」と言われていますし、二女の自主性や弾きたいという気持ちがどこまで続くのか、そっと観察していきたいと思います。

 

ピアノは喜び勇んで弾くんですよね。そこが姉とは大きく違いました
姉も姉で「あ、今日はピアノ弾いとくわ」と自分から開きます。音楽好きだよね君たち

 

ではまた。