人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

70回学コン課題曲の所感

熊本の地震、心配ですね。昨晩もたったの20分の間に6強、5強、6弱と警報が鳴り続けました。録画のサッカーの試合を見ていたのですが、突然中止になって番組が切り替わってしまいました。私にも熊本にお世話になった方がいらっしゃいます。今のところご無事のようでなにより。とにかくお気を付けて。

 

さて。学コンの課題曲が決まりましたね。ビバおけより姉弟子ママさんからの情報のほうが早かったですが、半ばお祭りみたいなものですね。

 

予選はローデのカプリスから4番。本選はヴュータン4番の第2、第4楽章。あっというまにAmazonから楽譜が無くなっていました。みなさんお聴きになったり楽譜をご覧になったりされたと思いますが、どんな感想を抱かれたのでしょうか。

 

ローデの4番、なかなか難しい。6/8のSiciliano(本来は女性名詞であるSicilianaを用いるそうですね)に始まり、途中から4/4のAllegroに切り替わる、空気の入れ換えの大事な曲です。パガニーニのカプリスに似た構成だと思いました。sul Dやsul Aも多く、同じテンポで弾かなければならないので大変そう。長女だと、トリルと装飾符が連なる部分が難所になるのかなあ。

 

続いてヴュータンですが、ブラームスやブルッフの協奏曲を思わせる第1楽章から始まり、メンコンのように緩徐楽章へとつなげたまま受け渡し、第3楽章でヴィルトォーソらしさを発揮、第4楽章で大団円。そのうちの第2と第4楽章を、というのですから気持ちの切り替えが難しそうですね。全然違うシーンですから、パキッと気持ちを切り替えないといけない。私は個人的に第1と第3が好きなのですが、第4楽章の技巧的な難しさは昨年のヴィエニャフスキに勝るとも劣らないです。

 

ヴュータンはベリオの弟子にしてイザイの先生で、ヴィエニャフスキの前の世代みたいですね。そう思って聴くと、ヴィエニャフスキの血肉となったであろう片鱗がちらほら見えて面白い。オーケストラとヴァイオリンがつかず離れず絡みながら進むので、聴いている側は本当に気持ちいいです。ピアノ伴奏がどうなるのかわかりませんが、アンサンブルをいかに弾いてくれるか、大変楽しみですね。

 

余談ですが、ローデとヴュータンは同世代を生きたみたいですね。それぞれ毛色の違うヴィルトォーソだったようで。なかなか心憎い選出です。

 

姉弟子のママさんは楽譜を見て「最初から重音だよ~」となったとか。ごめんなさい、ちょっと笑っちゃいました。

 

パールマン、ハーン、ハイフェッツを聴きましたが、全員まったく違う弾き方でした
学生さんはもちろん、先生の演出も腕の見せ所ですね! 楽しみです!!

 

ではまた。