人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

あっというまにおしまい

長女、レッスンがありました。

 

翌日が本番という切羽詰まった日。先週のレッスンでボロボロにダメ出しされた華麗なるポロネーズを、どこまでブラッシュアップできるかに注力して日々の練習を過ごしてきた長女。さて結果やいかに。

 

伴奏の先生がいらっしゃって、すぐに演奏に入ります。

 

なかなかいいじゃない。これなら行けるんじゃなかろうか。でも私たち親がどんなに「いい演奏だった」と思っていても、先生の気持ちが動かなければ意味が無い。ぶわぁっと気持ちの入った演奏をし終えた長女さん。これで「まだダメだね」と言われたら、私は長女になんとアドバイスしてやればいいのかわからない。それくらい気合いが入っていました。

 

「うん、そうそう。そうやって弾いて」

 

やったね! にんまりと笑う長女。

 

「どうしたらその演奏が出来たのか。そのプロセス……あとでお母さんに意味を聞いてね。プロセスを思い出して忘れないの。そうすれば次に弾くときもすぐに全部を思い出せるから」

 

そうなんですよね。この迫力をいつでも引き出せるようになれば、どんな曲をやり終えても不安なく次に進めるし。

 

「うん、もう今日はこれだけにしておこう。おしまい」

 

……えっ!? 30分くらいですけど!!

 

きっと、いい感じの演奏をほかの曲のレッスンで変えてしまうのがイヤだったのだろうと推測。というわけで、スケールもバッハもパガニーニも、なにひとつ見てもらうことなく終了したのでした。

 

さあ、明日は本番だ。先生も聴きにいらっしゃるらしいし気合い入れよう!
……なんて檄を飛ばすまでもなく長女、気合い充分です

 

ではまた。