人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

子は天才で物語を作れるのか?

姉妹が最近もっとも楽しみにしている物語はなんでしょう。プリキュア? 妖怪ウォッチ? いえいえ。「とと姉ちゃん」です。大好きで大好きで、毎日必ず見ています。

 

高畑充希さん、コメディタッチの身振りそぶりがうまいですね。実は私も楽しみにしています。

 

さて。そんな朝ドラウォッチャーの姉妹ではありますが、最近とみに悩ましいのが「音楽に物語(感情)をつくる」こと。「この曲のこの部分はどんな感情? どんな気持ち? どんな物語?」と先生に問われることが多くなってきました。

 

さあ姉妹よ、その才能をフルに発揮して、いち大ストーリーを描くがいい!

 

……無理でした。

 

そりゃそうですよ。やったことがないのだもの。

 

物語も歌も絵も、よく「子供は天才」と言われます。それは大人の常識に囚われない自由な発想の発露だからで、無地のキャンバスに好き勝手描いていいのであれば誰だって天才なのです。

 

しかし「曲の表現」なり「絵のお題」なりという枠組みがある中で整合性を持った解答を探すとなると、そこにはセオリーを追うという経験と能力を必要とする作業になってきます。大抵の子は「経験」の部分で大多数の人を納得させられる答えを見出すまで到達できません。

 

大の大人だって、物語を考えるというのは相当慣れていないと難しいと思います。人によっては文章を400文字書くだけでも大変な時間を費やすこともあるでしょう。どんなことだって要は経験なのですが、やった体験が無いことはとても難しいはずなのです。

 

整合性のある物語の作り方は教えないとできません。絵だって楽器だってなんだって、表現というのは正しくセオリーを教わらないと人を納得させられるものは創れません。中には勘の良い子もいて、世に出回っている何かを参考に自分のセオリーを見出し、ある程度観客の耳目に耐えうるものを創ってしまったというケースもあるでしょう。

 

そういう子は本当に天才(その才に向いている子)なのです。

 

というわけで、まずは私ら親が物語の作り方を一緒になって楽しむことから始めてみました。パガニーニのコンチェルト、なかなかにロマンティックで、少しコケティッシュで、壮絶にドラマチックです。まだ恋愛ホルモンの育っていない8歳にどこまで教えられることやら。

 

「ここはさ、ラブラブの男女ふたりが『結婚したいー』とパパとママに報告したら『ダーーーメーーーーッ』って壮絶に怒られたんじゃない?」

「えーーーっ!?」

 

といって大爆笑しています。……そんな曲だっけ?

 

どこの部分か、わかってくださると嬉しいです
どうやってもギャグ風味のコンチェルトになるのでしょうか……

 

ではまた。