人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

振動を止めれば音になる

母方の祖父は絵がとても好きな人でした。田舎の家の部屋にはかならず絵が飾ってあり、本人も好きでよく風景を写生しそれを飾っていました。

 

有名な画家を好むのかというとそうでもなく、和洋こだわらずにいろんな絵を買っていました。数年前に祖父が天寿をまっとうし、残された絵が田舎の家にゴロゴロしていまして、この絵が好きな性格は二女に受け継がれた気がしたので、数点もらって帰り飾ることに。二女はその絵を「きれいだねー」と眺めていました。感無量です。

 

弦楽器の仕組みは考えてみれば単純で、「弦の振動を止めれば音程は定まる」のですよね。それはフレットがあろうと無かろうと関係ない。つまり弦に触って振幅する長さを短くすれば音は高くなっていくわけです。

 

指板のない場所でも「弦の振動を止めれば音は鳴る」と先生からも教えていただきました。先日コントラバス奏者の方も高音を弾くときに同じことをおっしゃっていました。「とはいえ、指板にちゃんと弦を押さえつけたほうがはっきりとした音が鳴る」と注釈をくださいましたが。

 

さて、長女の指はまだ細いうえに3/4の楽器はまだ少しだけ大きいのか、5度が定まりづらいところがあります。5度は調弦の幅ですから、ナットが並行に移動したように、ふたつの弦を同時に押さえます。1の指などどう頑張ってもふたつの弦を押さえることは難しい。どうやって弾いているのだろうとずっと不思議だったのですが、よくよく見ると、片方の弦をフラジオレットで弾いている様子。

 

これでいいのかなー、と疑問に思っていたのですが、まあ今のところはいいみたいです。私はギター弾きだったので「弦を指板に押さえつけることで音が出る」という固定概念に囚われていたのでしょう。娘のほうがすんなりと「こうやれば音が出るよ」とスラスラッと弾く。

 

歳のせいか、最近、子の順応力って本当にすごいなあと思うんですよ。

 

でも音程はまだパパのほうがわかってるな!

 

正しい音程の演奏を聴き続けていると、正しい音程が刷り込まれていくようです
間違ったまま弾き続けるのが一番よくないですね。定着しちゃうと修正がたいへん!

 

ではまた。