人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

満ち潮のようにヒタヒタと

夏休みであることも手伝って、姉妹の練習量が普段よりかなり増えています。そのせいでしょうか、最近ふたりの演奏にはハリとツヤが出てきていて、やはり練習時間と演奏は比例するのだなあ、と思ったものです。

 

なかでも長女は集中的に「音程」を気にするようになってきました。

 

長女は1を聞いて10を知るほどの天才児ではありませんが、知らぬ間に匍匐前進しているタイプのようで、本当にひとつずつテクニックの傷が減っていきます。

 

最後の音を捨てないこと。

最初の擦過音でその後の音色を決める意識を持つこと。

弓の都合で演奏をごまかさないこと。

左手の都合で演奏をごまかさないこと。

体をねじらずまっすぐ立つこと。

ネックを下げて弾かないこと。

脱力をすること。

弓を立てること。

弓を弦に対して垂直に動かすこと。

音程を正確にとること。

 

長女の目下の課題を10個あげるとしたら上記のようになると思います。毎日必ず私たち親に指摘されているのに、それでも直らない部分なんて山ほどあります。

 

そもそも、パガニーニのコンチェルトは本当に指使い、弓使いが難しく、正確に弾くだけでも相当苦労するようです。低重音スタッカート→10度→リコッシェスタッカートの部分など、正確に弾けたことがあっただろうか? というくらい難しい。

 

が、最近少しずつ少しずつ解決してきました。すべてではありませんし、解決の手がかりすら見つかっていないものもありますが、徐々に、満ち潮のように、気づかないうちに、できるようになったことが増えてきました。

 

ヴィエニャフスキのポロネーズで苦しんだときのような、「もう辞めちゃおうかな」というような絶望感ではなく、「これさえ解決すればもっときれいに鳴るはず」というポジティブな苦悩になってきているのを感じます。その苦しみを解決する悦びを知ってくれれば、しめたものなのですけどね。

 

お教室の弾きあい会、そしてコンクールと、舞台が待っています。楽譜をさらい出して半年、弾きこみ始めて3ヶ月。ようやく玄関はあげてもらえるようになったものの、まだ客間に通されている感じが続いています。

 

はやくリビングでくつろぐパガニーニの尊顔を拝したいものです。

 

親子ともに怠惰との我慢比べになってきています
あとは細部の詰めと弾きこみだー

 

ではまた。