人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

二女のピアノとの距離

長期休暇には私の母の実家に家族で出かけ、遊んで帰ってくるという恒例行事があったのですが、今夏はちょっと難しそう。家族と私の実家とでスケジュールを組み立ててみたものの「そこはバレエが」「そこはプールが」「コンクール前なので」と子たちの予定でギッシリになっていました。

 

そもそも娘たちもすでに大きく、学校の宿題も濃くなってきています。こうして子はどんどん個人の時間が増えていってしまうのですね。嬉しいような寂しいような。

 

さて、そんな姉妹の二女のほうですが、彼女のピアノに対する姿勢はいつも不思議です。熱中でも、べったりでも、深刻でもなく、ふわふわ、とつかず離れず、漂う空気のように接している感じがします。

 

体力がまだ無い7歳ですから、ある程度経つと疲れたり飽きたりして離れていきますが、弾きはじめると何が楽しいのか、ずっとニコニコしながら弾いています。「練習聴いて」と人をピアノのある部屋に連れて行き、「何やろうか」と質問から入り、「いつもどおりエチュードで指をならしたら?」と言うと「そうだね、指が回らないもんね」とポロポロ弾きはじめます。

 

途中バッハの小品なんか弾きはじめて「あれ、そんな曲弾いてたっけ」と聞くと「先週新しくもらったの」と当たり前のように曲にしていきます。

 

1日に最低でも2時間くらいはピアノに向かいますし、夏休みはもう少し多く弾いていますが、どれだけ進んでいるのかよくわかりません。ある日突然「あれ、上手くなった?」と気づくような、そんな進歩です。どんどん目の前にある曲をこなして合格をもぎ取ってくるような感じではなく、自然に接して自然に丸をもらって、当たり前のように次の曲に触れています。

 

それでも体の成長のせいでしょうか、最近は指の使い方がパキッとしてきました。きっと筋肉がついてきたのでしょうね。そしてピアノに関しては何を言われてもパッと反応できる。「左手の音が大きいよ」とか、「右手だけそのままの音で、左手は小さくしていって」とか、「記号どおりに弾いて」とか、「調が変わる切れ目はちゃんとそれを意識して」とか、言われた次の瞬間にできてしまう。

 

最近、算数の文章題などの理解力が低いことにとても頭を悩ませていたのですが、ピアノを息をするようにスイスイと触れているのを見ると、きっと私の誘導の仕方が下手なだけかもしれない、と反省しきり。

 

学校の成績表では測れない、不思議な評価軸のある子だなあ。夏休みという時間はそういう面白い発見のできる時間ですね。

 

でも算数国語はできないと困るので、ある程度の成果はどうしても求めてしまいます
基礎学力だってピアノと一緒で訓練次第ですから

 

ではまた。