人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

表現欲とインプット

世間では「ポケモンGO!」が話題ですが、私としては「シン・ゴジラ」に大注目であります。

 

庵野監督は天才だと常々思っていますので、これは観にいかなければならない。が、毎日子が家にいる環境下でいつ映画館に足を運べることやら。姉妹はこの手の怖い映画はダメです。きっと泣いて嫌がります。

 

「第1回ドミニク・ペカット国際ヴァイオリンコンクール」で、正戸里佳さんが1位を獲りましたね。各メディアがこぞってニュースにしていました。正戸さん、寡聞にして存じ上げなかったのですが、YouTubeで演奏を聴いたら驚くほど情熱溢れる演奏をされる方でした。

 

さかのぼって聴いていき、12歳のときのメンコンに出会ったのですが、口をあけてポカーンとするほどすさまじかった。やはり世界に出て行く迫力というか、気概というか、とにかく何かしらの強いパワーを感じました。

 

振り返ってこのところよく思うのですが、指が動けば音楽が奏でられるか、完璧に巨匠の真似ができれば音楽になるのか、と言うと、実は決してそうではないのですよね。人の真似をして弾いてみたところで、そこに感情がこもっていなかったら、やはり伝わるものも伝わってこないのだ、と強く再認識しました。だから、演奏者本人の中から何かがあふれ出てこないと、音楽は魅力的にならないんですね。

 

庵野監督は学生時代、寝食を忘れてとにかく映画を撮っていたそうです。ダンボールで仮面ライダーやウルトラマンの変身セットを作り、どんなに見た目が「ソレっぽいだけのチープなもの」だろうと、必死で表現しようとしてきたとか。内容の完成度よりも、そこに向けられた情熱はクリエイターなら必ず琴線に引っかかるようなデキだった、というようなことを、奥様の安野モヨコさんならではの砕けた切り口で作品に描かれていました。

 

監督不行届 (Feelコミックス)

監督不行届 (Feelコミックス)

 

 

幼少期にデビューを果たし、周囲に認められた演奏家というのは、きっとメンタル面で強い表現欲があったのでしょう。表現欲というものは、インプットがないと生まれてこないもの。特に、強烈なインプットを得たあとというのは、何かを言いたくなったり、作ってみたくなったりするものです。

 

そういう刺激、必要だなあ、姉妹も、そして自分も。

 

停滞した気分のときは、外に刺激を求めると大抵うまくいくもの
姉妹にも、キレイなものだけではなく、心に刺さるものを教えてあげたいなあ

 

ではまた。