コンクール、あるいはチャット
結局先日の日記に書いたとおりで、休日に気が抜けた私は体調を崩してしまい、日曜日は1日中ずっと寝ていました。そのせい(おかげ)で夜中に覚醒しています。
なぜ「おかげ」かといいますと、ヴィエニャフスキ国際コンクールをライブで聴けているからです。
先日ボムソリちゃんがコンサートのアンコールでイザイの無伴奏3番を弾いてくれましたが、これ、本コンクールの課題曲なんですね。彼女もこのコンペティションに参加しており、彼女は水曜日の日本時間で15時に演奏します。本当は服部百音さんも聴きたかったのですが逃した! アーカイブを待つことにしよう……。ほかにも寺内さん、土岐さん、周防さん、長尾さん、北田さん、中村さん、岡本さんと、本コンクールは日本人の参加が多いので聴き所もたくさん。生で聴いたことのある周防さん、長尾さんには思い入れを持って応援できそうです。
そして何が楽しかったかっていいますと、チャットです。世界各国から視聴者があーだこーだ言い合います。「この楽器はよくないね」「彼女はきっと落ちるよ」「ピアニストも素晴らしいね」「彼女の楽器は何?」「今日一番よかったのは誰だと思う?」「ロシアの偉大なる教師たちはどんどん死んで、今落ち目だよね。そんななかブロンが仕事しているよ」
そして「彼女の演奏には情熱に欠ける」「東洋人の気質は西洋のそれとは違うからね」「まあアジアンだから」という会話もあり、少しハッとさせられます。でもそのときのコンペティターはカザフスタンの人で、「え、カザフスタンってヨーロッパじゃないの?」「アジアだよ」「いやヨーロッパだろ」「アジアだってば!」と別の論争が勃発。
そんななかで話題になったのがMaszońska Ameliaさん(ポーランド)の、演奏、ももちろんなのですが(演奏後に多くのBravaがチャットで飛び交っていました)、彼女の楽器! スクロール部分が人の頭なのです。「ナニコレ!?」と誰かが言った瞬間に「Joseph Helの1883年の作品さ」と誰かが応える。「あんまりよくない音だよね」「そうかな、4、5ポジションのハイトーンは素晴らしい音だけど」「ああ、よくない音かもしれない。だが、俺の車よりは高いんだろ?」「いや、悪いが君の家より高いよ」……なにこれ楽しい!
そしてみんなして。「out of tune」「oh my...tune」……もー、音程音程うるさいな! と笑ってしまいました。
まあ要するに、音程を気にするのは日本人に限らないってことですね。コンペティションを好む人たちの一部の人たちはあら捜し「も」楽しんでいる様子。
いやしかし、レベルが高いコンペティションは本当にちょっとしたミスが命とりですね。個性うんぬんの前につまらないミスや音程の狂いに、観客はとても厳しい! とはいえ一部の人は「今のミスは流れとして仕方ない。情熱のなせるわざだよ」などミスによっても考え方を分けている。
どんな世界にも「自己顕示欲の強い声のでかい人」はいるもので、ここでも多くのそういう方が勝手な持論を長々と講釈垂れていて、ときおり「出て行け」といわれたりも。
……チャット部分が楽しくなってきちゃいました。
というわけで明日も聴こうかな……
意外でした、海外の人たちってみんな言いたい放題なんですね
ではまた。