人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

蜜蜂と遠雷

テレビドラマ『カルテット』から目が離せない最近の私ですが、5話で心を打ち抜かれ、6話の最後の最後まで恍惚さえ覚える没頭感を得ていたのに、ラスト5分で「あれ?」と立ち止まっています。あまりの展開に頭がついていきません。

出演者の満島ひかりさんは脚本家の坂元裕二さんとの過去の仕事で「中後半からの展開」について物申したことがあるらしく。もしかしたら私の感じたこの違和感と通ずるものがあるのかもしれないですね。

 

それにしても出演者のみなさん、フィンガリング、ボウイングともに徐々にできてきてません!? 努力されたのはもちろんでしょうけど、恐ろしいまでの勘と運動神経ですね。

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所変われば品変わる

「厳しい練習」をしたら「演奏家になれる」という命題があるとします。これ、いつも思うのですが成り立たないですよね。

 

p       q         p→q

厳しい練習   演奏家になれる   真

厳しい練習   演奏家になれない  真

楽しい練習   演奏家になれる   真

楽しい練習   演奏家になれない  真

 

ほらー! 全部真じゃないですか!(いや数学的に「真」は意味が違うので、この図はおかしいのですが……)対偶を求めるまでもなく、命題では解けない問題だからこそ、「残るは才能」とかいわれてしまうわけで。

 

なんていうくだらないことを考えるくらいには時間に余裕ができたので、更新したいと思います。

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「カルテット」とコンサートと基礎と

TBS火曜ドラマ「カルテット」、ご覧になっていますか。ライトでポップな「逃げ恥」の後釜として、またドきついものをあててきましたね! 小劇団のお芝居みたいで大好きです。若かりしころ箱通いした人ならがぜん食いついていらっしゃるのではないでしょうか。夢の遊眠社、第三舞台、東京サンシャインボーイズ、キャラメルボックス。そんな雰囲気を醸し出していますね。今後の展開がとても楽しみです。合言葉は「A(アー)ください」うん、巷ではいまいち流行っていない。

ただまあ、楽器の弾き方は……。彼らは役者さんであって演奏家ではないのだから仕方ないですけど、本物の武士が現代にいたとして、その彼らが大河ドラマを見たらこんな気持ちなんじゃないか、みたいな空気はどうしても漂います。

それでもさすがは役者、とうなったのは、高橋一生さんの足を投げ出したヴィオラ演奏スタイル。あれは彼が観察した結果なのか、それとも演出家のお手柄なのか。いますよね、ああいう人。笑ってしまいました(ただしオケに。カルテットではあまり見たことない)。

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本年は誠にありがとうございました

今年一年を振り返りますと、子育て、仕事をはじめとして、主に娘たちの楽器の道についてとても大きな変化のある年でした。2016年の1月1日に、この現状を想像しうる者は我が家には1人たりともいなかったと思います。

 

その分2017年は、じっくりとゆっくりと雌伏し力を溜めていこうと思います。

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拍手にみられる経年変化

朝ごはんを食べながら、姉妹に「何か曲をかける?」と聞いたのですが、「前前前世」とか「ピーピーエーピー」とか言うだろうなーと思ったら。

「シベリウス」「わたしはロンカプ」

……うん、学コンに影響されすぎだね。

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競争力とコンクール

師走です。世界中のカレンダーが一年で一番軽くなる一ヶ月です。

 

とか詩人っぽいことを書いておくと文章のお仕事が来るのではないかと勝手に思っているわけですが、世の中そんなに甘くないわけで。ほんのときおり「文章上手ですね。プロですか?」と言われることが。これ、「パパの作ったホットケーキおいしい! お店開けるんじゃないの!?」という娘たちの感嘆とあまりかわりません。

いいかい娘たちよ、覚えておきなさい。レシピどおりに作れば誰が焼いてもホットケーキはこの味になるんだよ。小学校のときに習った文法を守れば文章はそれなりに読めるものになるんだよ。

文章のプロとは、糧になる原稿のほかに自分のための文章を書いてしまう伊熊よし子さんのような方をさして使うのだと、常々思います。

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