人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

「カルテット」とコンサートと基礎と

TBS火曜ドラマ「カルテット」、ご覧になっていますか。ライトでポップな「逃げ恥」の後釜として、またドきついものをあててきましたね! 小劇団のお芝居みたいで大好きです。若かりしころ箱通いした人ならがぜん食いついていらっしゃるのではないでしょうか。夢の遊眠社、第三舞台、東京サンシャインボーイズ、キャラメルボックス。そんな雰囲気を醸し出していますね。今後の展開がとても楽しみです。合言葉は「A(アー)ください」うん、巷ではいまいち流行っていない。

ただまあ、楽器の弾き方は……。彼らは役者さんであって演奏家ではないのだから仕方ないですけど、本物の武士が現代にいたとして、その彼らが大河ドラマを見たらこんな気持ちなんじゃないか、みたいな空気はどうしても漂います。

それでもさすがは役者、とうなったのは、高橋一生さんの足を投げ出したヴィオラ演奏スタイル。あれは彼が観察した結果なのか、それとも演出家のお手柄なのか。いますよね、ああいう人。笑ってしまいました(ただしオケに。カルテットではあまり見たことない)。

 

そろそろ1月が終わってしまうので、慌ててこうして書いています。

 

「おんがく交差点」という番組、ご存知でしょうか。春風亭小朝師匠と大谷康子先生がメインをはる、音楽バラエティ番組です。その番組のコンサートに、実は行ってまいりました。

あのですね。予想をはるかに超えていました。大谷先生すごい! キレッキレだわ表情は多彩だわ、とにかく素晴らしかったです。特に芥川也寸志(会場に奥様がいらしていました)の「ピアノとヴァイオリンのためのバラード」は姉妹で弾いてくれないかなあ、なんて夢みてしまいます。佐藤卓史さんのピアノなんて、もう、何あれ。素晴らしすぎてピアノにも集中してしまいましたよええ。

以前、漆原朝子先生の演奏も間近で拝聴したのですが、あのときも感動したなあ。白寿こどもヴァイオリンコンクールはすごい方たちが審査されていたんだなあ。

 

ひとつ感じたことを。

テレビでよく演奏を拝聴する方だから比較検討できたのだと思いますが、やはり生音にかなう演奏はなく、ヴァイオリンは特に生でないと魅力が半減する楽器なのだと再認識しました。つまり、CDやテレビなどで聴いた演奏を「素晴らしい」と感じたのだとしたら、生で聴けばもっとすごいということですね。当たり前だと思われるかもしれませんが、こんなにも違うものか、と心底感じられるようになったのは、きっと聴く側の耳がこまやかなところまで肥えたから。

それは、主に基礎練習時に「音をよく聴く」訓練をしているからだと思います。

 

長女も二女も、今は基礎に継ぐ基礎。もとから基礎を積み上げてきた子たちには「なんだいまさら」といわれてしまうかもしれません。それでも姉妹が一切文句を言わずに続けているのは、きっと「なぜ基礎が必要か」を体験をもって納得しているからではないかと感じます。

コンクールだ、舞台だ、と華やかな日々はありませんが、体の内側に確実なものを蓄積していく快感は、親子ともに感じているところです。

 

周囲が受験だ、塾通いだ、もっというと学コンだ、国際コンだ、と将来に向けてざわざわしだしている昨今、まったく焦りがないといえばウソになります。ああしてやれば、こうしてやれば、と迷いも生じますが、お友達と覚えた「恋ダンス」を踊りながらキャッキャしている姿を見ると、あまり親が悩ましい顔をし続けているわけにもいきません。

 

新しい年、どんな1年になるのでしょうか。親も少しずつ大人にならなければなあ、と様々な面で思い知らされる年の始まりでございました。

  

いろんな意味で今年は「焦らず」です
インフルエンザが流行りだしました。みなさまご自愛ください

 

ではまた。